第1部 初期のサッカー切手
7.第1回ワールドカップ・ウルグアイ大会(1930年) B
― ウルグアイ国際サッカー大会3連覇 ―
1930年7月13日に開幕した記念すべき第1回大会は、同30日に決勝戦が行われました。対戦したのはウルグアイとアルゼンチン、1928年オリンピック・アムステルダム大会の決勝と同じ組み合わせです。
ウルグアイは前半1対2とリードされていましたが、後半に3点を加え、4対2で勝ち、
ワールドカップ初のジュール・リメ杯を手に入れました。
1924、1928年のオリンピック大会の連続優勝に続いて、国際サッカー大会における3連覇を達成したことになります。
<図1> 1930年ウルグアイ代表チーム絵ハガキ
ワールドカップ第1回大会の記念切手は1枚も発行されませんでした。栄えある開催国に選ばれた上、初代チャンピオンの座に着いたにもかかわらずです。この大会開催が決まると、その成功を願うスローガン入りの記念消印まで用意されたことはすでに述べました。また1924、1928年オリンピックの優勝時に記念切手を発行するなど、当時ウルグアイが、「サッカー郵趣」でも世界の先頭に立っていたことは、この連載で明らかにしてきたとおりです。
(第1回大会当時の封書には、1928、29年発行の<海辺のアホウドリが描かれている切手>や1930年6月発行の<憲法発布100周年記念切手>が貼られたものを多く見かけます。)
その真相は明らかにされていませんが、ヨーロッパからの参加が4ケ国しかなかったことに対する反発が考えられます。ヨーロッパに対する不信感をぬぐい去ることが出来なかったのか1934、1938年のワールドカップ2大会、さらには1936〜1956年の間のオリンピック4大会(うち3大会がヨーロッパ開催)にはエントリーしていません。
これらへの不参加の理由を、「同国のチーム力の低下にすぎない」とする説もありますが、この間の南米選手権では2度優勝(1935、1942年)し、2度準優勝(1939、1941年)していますので、それなりの戦力は維持されていたと考えています。
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