第２部　サッカー郵便物資料の源流　　（１９２４年以前）
６．サッカー郵便物資料の源は？

　サッカー郵便物資料の源は、FA（イングランド・サッカー協会）から差し出された郵便書簡や封筒ではないか、そして時期的にも同協会が設立された1863年10月からあまり時間が経っていない頃のものというのが、私の考えです。
　1840年にスタートした「近代郵便制度」に、1863年にスタートした「近代スポーツとしてのサッカー」がイングランド全域に急速に広まり、FA参加クラブとの通信連絡の機会が増えたあたりということになります。
　 このような組織間の郵便物は信書であり、個人的に収集可能な域を超えることが多く、現在残っているものもFAをはじめとする各サッカー組織、博物館・図書館など、公共性の高いところに点在して収蔵されており、一般的とはいえないとも考えます。
　 一方、信書の秘密から解き放たれたハガキが登場し、私製ハガキ発行が認められ、一度に多量の商品（絵ハガキなど）が市場に出回ったおかげで、19世紀末から20世紀初頭のものが、私たちの手にも届くようになったといえます。

　今回で第２部を終了します。
　最初のサッカー切手が発行された1924年から遡ってみることによって、郵便とサッカーの母国イギリスの位置づけの確かさが、大きく浮かび上がったと感じています。

―ちょっと寄り道― 「FA」と「フットボール・リーグ」関連 　1963年、FA創設100周年（1863〜1963年）を記念してモナコは12種類の切手を発行しました。その内の２種と、イギリスの 「FAカップ100周年」の記念印と「フットボール・リーグ誕生100周年」の切手を紹介します。 ＦＡ創設100周年記念 ウェンブリ―スタジアムは 1923年にオープン ＦＡ創設100周年記念印付 マキシマム・カード W.H.Overendが描いた1890年頃のイギリスの試合風景 (1963年12月12日発行・モナコ) ＦＡカップ・決勝100周年 記念印付カバー （1972年5月6日付・イギリス）　　 フットボール・リーグ100周年 記念切手 （1988年3月22日発行・イギリス）

※第２部では「郵便ハガキ」と表記しました。理由は日本の「はがき」の表示が
　 「郵便はかき」「郵便はがき」 さらには右書き、左書きと変遷しており、これらと　 の混乱をさけるためです。

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