―ちょっと寄り道― 「ブラジル対ウルグアイ戦」実況対決
〜「カルロス・ソロ」(ウルグアイ)と「アリ・バローゾ」(ブラジル)〜
「スタジアムの神と悪魔」の著者エドゥアルド・ガレアーノ(1940年ウルグアイのモンテビデオで生まれ)は、ラジオにかじりついてこの試合の中継を聞いていました。『カルロス・ソレの声がブラジルのゴールという悲報を伝えてくれたとき、私の魂は地に叩きつけられた。』そして、『神様、あなたがマラカナン・スタジアムに現れて試合をひっくり返してくれるなら、かわりにこれをします、あれも我慢します、と誓ったのだ。』
(「スタジアムの悪魔」飯島みどり訳・みすず書房−「オブドゥリオ」の項より)
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「カルロス・ソレ」
没後30周年記念
初日カバー
(2005年9月20日発行
ウルグアイ)
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「アリ・バローゾ生誕100周年記念」
(2003年11月7日発行
ブラジル)
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エドゥアルド・ガレアーノはこうも記しています。『ギジアのゴールが決まった瞬間、マラカナンに沈黙が「破裂」した。サッカーの歴史始まって以来最もけたたましい沈黙。かのサンバの名曲「ブラジルの水彩画」の作曲者アリ・バローゾは、このとき試合を全国にラジオ中継していたが、サッカーのアナウンスなどという商売はもう金輪際やるまいと決意した。』 (同書−「1950年のワールドカップ」の項より)
※アリ・バローゾ (Arry Barroso・1903〜1964)
「ブラジル ポピュラー音楽の父」と称される。1930年代、ブラジルのポピュラー音楽はラジオ放送の強力なコンテンツのひとつであり、バローゾの他にも多くの作曲家が活躍した。
バローゾの活躍は音楽だけでなく、サッカー番組のコメンテイターも長く行っていた。
「フラメンゴ」の熱狂的フアンで、同チームよりの中継を公然と行い、「どこのチームが好きかを公言した上での実況」するスタイルの元祖と伝えられている。
(「南米蹴球紀行」・クリス・テイラー著/ 東本晃司訳・ケイブンシャ)
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