第1部 初期のサッカー切手
3.競技を最初に描いたオリンピック切手 (1928年)
1928年、第9回オリンピック・アムステルダム大会の開催国オランダは、同年3月27日に8種類の記念切手を発行しました。
8種類の内わけは、ボート、サッカー、ヨット、フェンシング、砲丸投げ、陸上、馬術、ボクシングで、ヨットを除いては競技選手が描かれています。 なお、米国(陸上のスタート)、ポルトガル(ハードル)からも競技自体を採り上げた切手が発行されました。
第9回オリンピック・アムステルダム大会記念
1928年3月27日発行
(オランダ)
この切手も付加金が課されていて、サッカーについては額面3セントに1セントが付加され、大会経費に充当されました。
オリンピック大会の台所事情が垣間見えるようです。 前回で紹介しました<スポーツ振興基金>切手が参考になったのかも分かりません。
これを境に、オリンピック切手にも競技場面が多く登場するようになり、「オリンピック・郵趣」として、スポーツ切手収集の主流として拡大していきます。
― ちょっと寄り道 ―
オリンピックのシンボル「五輪」マークを最初に描いたのは、上述のポルトガル切手(1928年5月22日発行)です。
また、この大会から表彰メダルのデザインは各大会とも同じものとすることになり、イタリアの芸術家ジュゼッペ・カシオリの作品が採用されました。(2004年アテネ大会で一新されるまで76年間授与され続けた)
カシオリ作のメダルの裏面には<勝利の女神・ニケ>がオリーブの葉の冠を掲げた姿が刻まれていました。、また、2004年からは、ニケの姿は翼を広げる立ち姿(従来は座った姿)に改められ現在も続いています。ニケについては「1.サッカー切手の誕生」を参照下さい。 |
◇この項の参考文献
「オリンピックのメダル」 伊藤公 (「Sports Arts」第4号)
「アテネあと1年」 結城和香子 (読売新聞2002年8月13日・夕刊)
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