第4部 ブラジル、ジュール・リメ杯永久保持へ(1962〜1970年)
3.第7回ワールドカップ・チリ大会 (1962) B
◇準々決勝 チリ 2対1 ソ連
6月10日、準々決勝チリの対戦相手となったソ連は、1次リーグ・グループ1を首位で通過、前大会に続いての準々決勝進出でした。
チリが2対1で勝ちましたが、その2得点は25メートル近くからのフリーキックと30メートルを超える位置からのロハスのロング・シュートによるもので、堅守を誇るヤシンの謎に満ちた失点と伝えられています。
下のソ連の記念切手は、大会後の6月27日に発行されていますので、同国のベスト8進出を記念するものとも考えられます。図柄がシュートをセービングするGK(おそらくモデルはヤシン)が描かれています、偶然でしょうか?
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本大会参加記念
(各種・世界選手権大会記念
5種中の1種)
(1962年6月27日発行・ソ連) |
◇準決勝 チリ2対4ブラジル、
3位決定戦 チリ 1対0ユーゴスラビア
6月13日の準決勝、チリはブラジルに2対4で敗れ、16日の3位決定戦でユーゴスラビアと対戦、ロハスが試合終了直前に得点し1対0で3位の座を獲得しました。ロハスとランダもチリ・サッカー協会100周年記念切手に取りあげられています。
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(左)ロハス (Eladio Rojas)、 (右)ランダ (Honorino Landa)
チリ・サッカー協会100周年記念 (1995年11月13日発行・チリ)
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チリ3位獲得記念カード
(対戦スコア入り・チリ) |
◇決勝戦 ブラジル 3対1 チェコスロバキア
1次リーグ・グループ3でチェコスロバキアはブラジルと対戦、両チーム無得点で引き分けました。ペレはこの試合の25分、ガリンシャからパス受けて強烈なシュートを放ちましたが、その際太ももの筋肉を痛めてしまい、その後本大会には出場出来ませんでした。
チェコスロバキアの準々決勝、対ハンガリー戦(1対0)と準決勝対ユーゴスラビア戦(3対1)の勝利に大きく貢献したのがGKシュロイフでした。同国の2枚の切手はGKのボールをキャッチする姿が描かれています。
準々決勝まで徹底的に守備的な戦いで(1次リーグ、対メキシコ戦で2位ねらいの戦い方で、1対3で敗れた試合を除いて)勝ち進んだチェコスロバキアでしたが、決勝戦では17分のマソプストの先制ゴールを活かすことが出来ず、次第にブラジルの攻撃に圧倒されシュロイフも3点を献上、準優勝に終わりました。
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大会参加記念
(1962年スポーツ行事
6種中の1種)
(1962年2月5日発行) |
決勝進出(準優勝)記念
左の切手に準優勝と同国サッカ―
協会略称追加
(印刷色変更)
(1962年6月20日発行) |
(チェコスロバキア) |
◆攻守のバランスで完璧な連覇達成
2戦目の25分以降ペレを欠いたブラジルでしたが、ガリンシャ、ババ(各4得点)、ペレの代役アマリルド(3得点)など多彩なタレントが次々と得点を重ね、大会2連覇を達成しました。
守備も安定、6試合の合計失点4、うち2試合は失点0。攻撃と守備のバランスがとれたチームは、先制されてもあわてることもなく試合を進め、5勝1分けという完璧な結果を出しました。
前大会同様、今回も優勝決定から半年以上も経った1963年1月14日に連覇達成記念切手が発行されました。しかしこの間に初優勝時に用意されたような特別記念消印などは見当たりません。
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ブラジル優勝(2連覇)
記念初日カバー
(1963年1月14日発行・
ブラジル) |
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