第1部 初期のサッカー切手
9.第2回ワールドカップ・イタリア大会(1934年) A
― イタリアの海外領土や植民地用にも記念切手を発行 ―
<エーゲ海諸島>
イタリア本国の切手9種の印刷色を変えたうえ
≪ISITALIANE DELLEGEO≫を加刷して発行しました (下図)。
イタリア・エーゲ海諸島とは、1911年から1912年にかけて、イタリアとオスマントルコ
との戦争(伊土戦争)の結果、ローザンヌ講和条約によりイタリアが支配することとなった「ドデカネス諸島」を構成する13の島々です。(1947年以降はギリシャ領)
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1934年6月15日発行 (イタリア・エーゲ海諸島) (2種のみ紹介) |
<イタリア植民地>
イタリア本国と異なる図柄の切手12種類も発行されました。
1890年、エリトリア(東アフリカ)にイタリア最初の植民地がおかれ、1892年南ソマリア、1912年リビアへと拡大していきますが、リビアの激しい抵抗にあい最終的な占領は1932年のことです。
第2回ワールドカップは、イタリアがエチオピアへの攻勢を強めた時点で開催されたことになります。その版図を知らしめるねらいから、アフリカの景観やイタリアとのつながりを示す古代遺跡などが描かれています。
デザインは、イタリア本国の切手の一部も手掛けたA.Ortonaが担当しています。
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オアシスとゴールネットに
飛び込むボール (同一図案、
印刷色違い3種中の1種) |
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ローマ時代の古代遺跡を背景にキックの合図を送るプレイヤー
同一図案、印刷色違い2種) |
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ローマ時代の古代遺跡を
背景にシュートを
フラインングキャッチするGK
(同一図案、印刷色違い3種)
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スタジアム上空を飛ぶ飛行機
(同一図案、印刷色違い3種) |
巨大なボールと街並み上空を
飛ぶ飛行機 |
1934年6月5日、21日発行 (イタリア植民地) |
― ちょっと寄り道 ― イタリアと航空機
伊土戦争(1911〜1912年、イタリアとトルコとの争い)の際、イタリアは飛行機による偵察、写真撮影、爆弾投下を実施、これが実戦における飛行機による最初の組織的運用とされています。
また、航空機による郵便物輸送にも早い時期から取り組み、1917年5月には航空郵便専用の切手(既存の速達切手に Roma/Torino間などを加刷)が発行されています。
ムッソリーニも飛行機を愛し、空軍の育成にも熱意を傾け、飛行機を描いた切手も多くみられます。
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