第4部 ブラジル、ジュール・リメ杯永久保持へ(1962〜1970年)
6.第8回ワールドカップ・イングランド大会 (1966) B
― サッカーと切手の母国で開催 ―
◆ブラジルの3連覇の夢ついえる
2連覇中のブラジルでは、7月1日から30日のまで、3連覇達成を祈願するかのごとく、全国10の郵便局でイングランド大会の特別記念消印を用いました。
しかし、グループ3に組分けられたブラジルは、ブルガリアに2対0と勝利したもののハンガリーとポルトガルに共に1対3で敗れ、早々と姿を消してしまいました。
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イングランド大会特別記念消印
(使用期間:7月1日〜30日・
ブラジル) |
◆北朝鮮、準々決勝進出!
1次リーグ、グループ4の北朝鮮は初戦の対ソ連戦に0対3と完敗。しかし次の対チリ戦を終了直前の同点ゴールで1対1と引き分け、力のほどを印象付けました。対イタリア戦でも運動量は落ちることなく、正確でスピードのある短いパスで試合を優勢に進め、1対0で勝利し、グループ2位で準々決勝に進出し世界を驚かせました。
準々決勝の対ポルトガル戦では3点を先制しながら、この大会の得点王エウゼビオに4得点を献上、3対5で逆転負けを喫してしまいました。
世界を驚かせた北朝鮮は、初出場にもかかわらず大会開幕日に記念切手3種類を発行しています。
◆ハンガリーは準々決勝で敗退
ハンガリーは、1次リーグ・グループ3を、2位で通過し、準々決勝でソ連と対戦しました。同国の過去5大会の本大会での成績を振り返ってみますと、1958年スウェーデン大会こそ1次リーグで敗退しましたが、決勝進出2度、準々決勝2度の好成績を残しており、今大会で3度目の準々決勝進出でした。しかしながら、ソ連にGKゲレイの弱点を突かれ1対2で敗れました。
前大会同様(第4部の1参照)、ハンガリーはグラビア多色の鮮やかな菱形切手9種類を発行しました。ジュール・リメの肖像(切手に初めて登場)とリメ杯が描かれた1種類と大会マーク、開催都市(地図入り)1種類を除く7種類には、過去の決勝戦の対戦風景が開催年度、開催地、決勝スコアと共に表記されており、充実した内容と視野の広さが感じられます。同小型シートとともに掲げておきます。
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大会参加記念
(1966年5月16日発行)
(ハンガリー) |
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大会参加記念
(1966年6月7日発行)
(ハンガリー) |
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◆ソ連は過去最高の4位
準々決勝でハンガリーを2対1で下し、準決勝で西ドイツと対戦しましたが、激しい試合展開となり、ソ連のサボが負傷し、さらにチスレンコに退場処分が課され1対2で敗れました。続く3位決定戦でもポルトガルに1対2で敗戦、しかしながら4位と同国過去最高位の結果をおさめました。
同国15選手の署名入り初日記念カバー2種類を紹介します。サッカー切手は各種世界選手権記念5種中の2種と同小型シート1種(他種目3種との組み合わせ)が貼られています。発行時期が大きく異なるため、署名は4位決定後の7月26日以降に行われたものと思われます。(封筒自体はイギリス製のようです)
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大会参加記念初日カバー
5種中のサッカー2種貼り
(13選手の署名入り)
(1966年5月31日発行・ソ連) |
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大会参加記念初日カバー
小型シート1種貼り
(GK ヤシンとGKカバサシビリの署名入り)
(1966年7月26日発行・ソ連) |
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