第6部 ワールドカップ、USA開催へ(1986〜1994年)
2.第13回ワールドカップ・メキシコ大会 (1986)A
― マラドーナ、世界の頂点へ ―
◆ 本大会
◇ 大会方式
1次リーグ(4チームずつが6組に分かれて争う)は前回と変わりませんでしたが、2次ラウンド以降は、1次リーグ各組上位2チーム(12チーム)に各組3位のうち成績上位4チームを加えた16チームによる勝ち抜き方式に改められました。試合数は52で前回大会と変わりませんでした。
◇ 開催スタジアム
9都市12スタジアムを描いた鳥瞰図絵はがきシリーズが用意されました。その中から記念切手の発行された2つのスタジアムを紹介します(収容人数は、絵はがき裏面の記載による)。
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メキシコシティ
『アステカ・スタジアム』
(収容人数:114,008人)
決勝戦を含む8試合開催 |
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メキシコシティ
『オリンピコ・スタジアム』
(収容人員:72,212人)
5試合開催 |
貼付切手は1985年12月15日発行・メキシコ |
◆ 1次リーグ
下記の順位となりました。太字が決勝ラウンド1回戦へ進みました。
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1位 |
2位 |
3位 |
4位 |
<A> |
アルゼンチン |
イタリア |
ブルガリア |
韓 国 |
<B> |
メキシコ |
パラグアイ |
ベルギー |
イラク |
<C> |
ソ 連 |
フランス |
ハンガリー |
カナダ |
<D> |
ブラジル |
スペイン |
北アイルランド |
アルジェリア |
<E> |
デンマーク |
西ドイツ |
ウルグアイ |
スコットランド |
<F> |
モロッコ |
イングランド |
ポーランド |
ポルトガル |
E組首位の初出場デンマークは3戦3勝、対西ドイツ戦の2対0は驚きでした。F組のモロッコは、1970年ワールドカップ以来2度目の挑戦でアフリカ勢初の1次リーグ突破を果たしました。
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ワールドカップ本大会参加記念初日カバー
(1986年5月31日発行・モロッコ)
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◆ 決勝ラウンド 1回戦
勝ち残っていた16チームのうち、ポーランド、イタリア、モロッコ、ブルガリア、ソ連、デンマーク、パラグアイそしてウルグアイが敗れ去りました。
ブラジルに4対0で敗れたポーランドは、本大会4連続出場を表示した切手を発行しました。
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1974、1978、1982、1986年
本大会4連続出場記念
(1986年5月26日発行・ポーランド)
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◆ 準々決勝
準々決勝4試合のうち3試合が延長でも決着つかず、PK戦にもつれ込む展開でした。
◇ <フランス対ブラジル> 延長1-1、PK4-3
ブラジルは、17分にカレカの得点で優勢に立ちましたが、40分フランスがプラティニのゴールで同点としました。71分に交代出場したジーコは相手GKの反則で得たPKを、自ら蹴りましたが、GKに阻止されました。そして、延長戦も互いに譲らずPK戦へ。
ブラジル
ソクラテス× アレモンン○ ジーコ○ ブランコ○ ジュリオ・セザール×
フランス
ストピラ○ アモロ○ ベローヌ○ プラティニ× フェルナンデス○
ブラジルは、本大会進出が決定した1985年6月23日に、大会記念小型シートを発行し、「ジュール・リメ杯永久保持15周年」を祝いましたが、準々決勝で姿を消す結果となりました。1978年大会からこの大会まで3大会に出場し“白いペレ”と呼ばれたジーコでしたが、ワールドカップのトロフィーを手にすることはできませんでした。(この切手は6-1−ちょっと寄り道―で紹介したMartha PoppeではなくJorge Eduardoがデザインしています)
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大会とジュール・リメ優勝杯永久保持
15周年記念
(シート地は1970年大会の
イタリアとの決勝戦の場面)
(1985年6月23日発行・ブラジル) |
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大会記念
(Martha Poppeが手がけた
ワールドカップ最後の切手)
(1986年3月3日発行・ブラジル) |
◇ <西ドイツ対メキシコ>
延長0-0、PK 4-1 |
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◇ <ベルギー対スペイン>
延長 1-1、 PK 5-4 |
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◇ <アルゼンチン対イングランド> 2-1
51分と54分にあげたマラドーナの2得点で、アルゼンチンはイングランドに勝利。最初は「神の手」、3分後は「60m、5人抜き」
ゴールでした。悪魔と神に魅入られたイングランドは、80分にリネカーがこの大会6得点目を記録し、一矢を報いました。
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優勝記念シートより
「マラドーナの60m、5人抜き」
(1986年11月8日発行・
アルゼンチン) |
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