第12部 「トヨタカップ」 日本で競うクラブ世界一
24.ボカ・ジュニアーズ、通算3度目の世界一
第24回トヨタカップ(2003年)
ボカ・ジュニアーズ対ACミラン 延長1−1、PK3−1
2003年12月14日 横浜国際競技場(横浜) 観客 66,757人
得点 ACミラン:トマソン(24分)
ボカ・ジュニアーズ:ドネ(29分)
主審 カルロス・エウジェニオ(ブラジル)
監督 ボカ・ジュニアーズ:カルロス・ビアンチ
ACミラン:カルロ・アンチェロッティ
MVP ドネ 背番号18(ボカ・ジュニアーズ)
◆ボカ・ジュニアーズ
トヨタカップに、4年間で3回目の出場となったボカ・ジュニアーズに対しACミランは9年ぶりながら同5回目(インターコンチネンタル・カップを含めると13年ぶり4度目の王座を狙う)。
試合は双方激しいプレッシャーの掛け合いからスタートしましたが、先制したのはACミラン。24分、ピルロがインターセプトし、精度の高いパスをシェフチェンコがDF2人を引きつけながらスルー、走り込んだトマソンが左足で鮮やかに決めました。
ボカが追い付くのに時間はかかりませんでした。29分、バロスケロットの左からのクロスにイアルレイが走り込み、右足でボレー、GKがはじいたところをドネが押し込みました。その後両チームとも譲らず、延長戦を終えてもスコアは1−1のままトヨタカップにおける4回目のPK戦に持ち込まれました。
PK戦はイタリアの先行ではじまりましたが、1番手のピルロが止められ、2番手ルイ・コスタは成功したものの、3番手セードルフ、4番手コスタクルタが失敗。ボカは2番手バタグリア以外の3選手が成功、PK戦3−1でボカがトヨタカップ、3年ぶり2度目の優勝を果たしました。
■イタリアの復権、 ACミラン6回目の優勝
−第48回UEFAチャンピオンズ・リーグ(2002-03シーズン)−
◆大会方式安定、試合数変わらず
前シーズン同様、準々決勝の前に、予選(1次〜3次)と1次、2次グループリーグが行われました。試合数も237と変更はありません。
第1次予選 20チーム、10チーム第2次予選へ (20試合)
第2次予選 28チーム(第1次勝ち抜き10チーム+シード18チーム)、14チーム第3次予選へ (28試合)
第3次予選 32チーム(第2次勝ち抜き14チーム+シード18チーム)、16チームが1次グループリーグ進出 (32試合)
1次グループリーグ (2002年9月17日〜11月13日)(96試合)
32チーム(第3次予選勝ち抜き16チーム+シード16チーム)
各グループ1位2位の16チームが2次グループリーグ進出。
2次グループリーグ(2002年11月26日〜2003年3月19日)(48試合)
グループA
1位 FCバルセロナ(スペイン)<1次グループH 1位>
2位 インテル(イタリア)<1次グループD 1位>
3位 ニューカッスル・ユナイテッド(イングランド)<1次グループE 2位>
4位 バイヤー・レバークーゼン(ドイツ)<1次グループF 2位>
グループB
1位 バレンシア(スペイン)<1次グループB 1位>
2位 アヤックス(オランダ)<1次グループD 2位>
3位 アーセナル(イングランド)<1次グループA 1位>
4位 ASローマ(イタリア)<1次グループC 2位>
グループC
1位 ACミラン(イタリア)<1次グループG 1位>
2位 レアル・マドリード(スペイン)<1次グループC 1位>
3位 ボルシア・ドルトムント(ドイツ)<1次グループA 2位>
4位 ロコモティフ・モスクワ(ロシア)<1次グループH 2位>
グループD
1位 マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)<1次グループF 1位>
2位 ユベントス(イタリア)<1次グループE 1位>
3位 バーゼル(スイス)<1次グループB 2位>
4位 デポルティーボ・ラコルーニャ(スペイン)<1次グループG 2位>
準々決勝(2003年4月8日、4月9日、4月22日、4月23日)
注)クラブ名後ろの( )内数字は、過去のこの大会通算優勝回数
ACミラン(5)対アヤックス(4) 0−0、3−2
レアル・マドリード(9)対マンチェスター・ユナイテッド(2) 3−1、3−4
ユベントス(2)対FCバルセロナ(1) 1−1、2−1
インテル(2)対バレンシア(0) 1−0、1−2
(アウェイゴール差でインテルが準決勝進出)
準決勝 (2003年5月6日、5月7日、5月13日、5月14日)
ユベントス(2)対レアル・マドリード(9) 1−2、3−1
ACミラン(5)対インテル(2) 0−0、1−1
(アウェイゴール差でACミランが決勝進出)
決勝
ACミラン(5)対ユベントス(2) 延長0−0、PK3−2
2003年5月28日 オールド・トラフォード(マンチェスター・イングランド)
観客 63,215人
監督 ACミラン:カルロ・アンチェロッティ
ユベントス:マルチェロ・リッピ
第48回大会最多得点:ファンニステルローイ
(マンチェスター・ユナイテッド)12点
◆ACミラン、イタリア対決を制す
過去2シーズン、準々決勝進出チーム0と不振を極めていたイタリア勢でしたが、3チームが準決勝に進出。
ユベントスは準々決勝でFCバルセロナ、準決勝でレアル・マドリードのスペイン2強を下しました。しかしチームの大黒柱パベル・ネドベド(出身:チェコスロバキア)は、レアル戦で累積2枚目のイエローカードにより決勝戦の出場停止処分を受けました。
対するACミランは準決勝で、本拠地を同じくする宿敵インテルと対戦、アウェイ扱いの第2戦を1−1で切り抜け、勝ち上がりました。
イタリア対決となった決勝戦、両チームは一歩も譲らず、延長戦を終えてもスコアは動かずPK戦となりました。PK戦は両GKのブッフォン(ユベントス)とジダ(ACミラン)の競演となりました。ユベントスはトレゼゲ、サラジェタ、モンテ―ロが失敗、ACミランもセードルフとカラーゼが失敗したものの、最後にシェフチェンコが成功、ACミランが3−2で勝ち、6度目の優勝を果たしました。
■ボカ・ジュニアーズ
−第44回 トヨタ リベルタドーレス・カップ(2003年) −
準々決勝
ベネズエラとメキシコによる予選(リーグ戦方式)の1位、2位チームを加えた32チーム(各4チーム、8グループ)で1回戦(リーグ戦)を行い、各グループ1位と2位の16チームで2回戦(ノックアウト方式)を実施、勝ち抜いた8チームが準々決勝へと進みました。
アメリカ・カリ(コロンビア)対リバープレート(アルゼンチン)1−2、4−1、
サントスFC(ブラジル)対クルスアスル(メキシコ) 2−2、1−0
ボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン)対コブレロア(チリ)2−1、2−1
インデペンディエンテ・メデジン(コロンビア)対グレミオ(ブラジル) 2−2、2−1
準決勝 (2003年6月4日、6月11日、6月18日、6月19日)
サントスFC対インデペンディエンテ・メデジン 1−0、3−2
ボカ・ジュニアーズ対アメリカ・カリ 2−0、4−0
決勝
第1戦 ボカ・ジュニアーズ対サントスFC 2−0
2003年6月25日 ボンボネ―ラ(ブエノスアイレス、アルゼンチン)
観客 60,000人
得点 ボカ・ジュニアーズ:デルカド(32分、83分)
第2戦 サントスFC対ボカ・ジュニアーズ 3−1
2003年7月月2日 モルンビー・スタジアム(サンパウロ、ブラジル)
観客73,103人
得点 ボカ・ジュニアーズ:テベス(21分)、デルカド(84分)、
スキアビ(90+5分、PK)
サントスFC:アレックス(75分)
優勝監督 カルロス・ビアンチ(アルゼンチン)
◆ボカ、豊富な経験で若さのサントスを下す
決勝でのボカとサントスの対決は40年前(1963年)以来のことでした。エメルソン・レオン監督に率いられ19年ぶりに大会に出場した名門サントスには、19歳のFWロビーニョや18歳のMFジエゴなど才能ある若手が揃っていました。
しかし、ボカはホームでの第1戦を巧みに試合を運び、デルカドの2点で先勝。アウェイでも先制、1点を失った後もデルカド、スキアビが追加点を挙げ、3−1で圧勝し、南米王者に返り咲きました。
― ちょっと寄り道 ―
国内リーグ優勝クラブ <セリエA(イタリア)>
◆ユベントス、通算27回目の優勝(2002−03シーズン)
セリエAの71シーズン目の覇者はユベントスで、通算27回目の優勝。勝点72をあげ、2位インテルとの差は7。両チームの差は守備力の差に表れています。得点王は、インテルのクリスティアン・ビエリ(24点)でした。
・ユベントス:得点64、失点29、得失点差+35
・インテル :得点64、失点38、得失点差+26
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ユベントス
セリエA優勝記念
(2003年8月30日発行・
イタリア) |
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