第10部 クラブ国際大会の拡がり
11.フェイエノールト、オランダ初の世界一
(1)第15回ヨーロッパ・チャンピオンズ・カップ(1969‐70シーズン)
◆フェイエノールト、ヨーロッパに新しい風
ヨーロッパチャンピオンの座は1970年代に入り、大陸の北西部へと進みます。その先陣を切ったのはオランダのフェイエノールトでした。
予備戦 (左が勝利チーム)
KBコペンハーゲン(デンマーク)対パロセウラ・トゥルク(フィンランド)
1回戦 (左側が勝者)
ACミラン(イタリア)対アベニール・ベッゲン(ルクセンブルク)
フェイエノールト(オランダ)対KRレイキャビク(アイスランド)
スパルタク・トルナバ(チェコスロバキア)対ハイバーニアン・バレッタ(マルタ)
ベンフィカ(ポルトガル)対KBコペンハーゲン
フェレンツ・バローシュ(ハンガリー)対CSKAソフィア(ブルガリア)
グラスゴー・セルティック(スコットランド)対FCバーゼル(スイス)
フィオレンティーナ(イタリア)対エスター(スウェーデン)
スタンダール・リエージュ(ベルギー)対17ネントリ(アルバニア)
サンテチエンヌ(フランス)対バイエルン・ミュンヘン(西ドイツ)
ディナモ・キエフ対(ソ連)対FKオーストリア(オーストリア)
リーズ・ユナイテッド(イングランド)対リン・オスロ(ノルウェー)
レギア・ワルシャワ(ポーランド)対UTアラド(ルーマニア)
ガラタサライ(トルコ)対ウォーターフォード(アイルランド)
フォルベルツ・ベルリン(東ドイツ)対パナシナイコス(ギリシャ)
レッドスター・ベオグラード(ユーゴスラビア)対リンフィールド(北アイルランド)
レアル・マドリード(スペイン)対オリンピアコス・ニコシア(キプロス)
2回戦
1回戦を勝ち抜いた16チームで行われ、8チームが準々決勝へ進みました。
フィオレンティーナ対ディナモ・キエフ 2−1、0−0
リーズ・ユナイテッド対フェレンツ・バローシュ 3−0,3−0
フォルベルツ・ベルリン対レッドスター・ベオグラード 2−1,2−3
フェイエノールト対ACミラン 0−1、2−0
ガラタサライ(抽選勝ち)対スパルタク・トルナバ 0−1、1−0
グラスゴー・セルティック(抽選勝ち)対ベンフィカ 3−0、0−3
レギア・ワルシャワ対サンテチエンヌ 2−1、1−0
スタンダール・リエージュ対レアル・マドリード 1−0、3―2
準々決勝
レギア・ワルシャワ対ガラタサライ 1−1、2−0
リーズ・ユナイテッド対スタンダール・リエージュ 1−0、1−0
グラスゴー・セルティック対フィオレンティーナ 3−0、0−1
フェイエノールト対フォルベルツ・ベルリン 0−1、2−0
準決勝
グラスゴー・セルティック対リーズ・ユナイテッド 1−0、2−1
フェイエノールト対レギア・ワルシャワ 0−0、2−0
決勝
フェイエノールト対グラスゴー・セルティック 2−1(延長)
1970年5月6日 ジュゼッペ・メアッツァ(ミラノ・イタリア)観客 53,187人
得点 フェイエノールト:イスラエル(31分)、シンドバル(117分)
セルティック:ゲメル(30分)
監督 フェイエノールト:エルンスト・ハッペル
グラスゴー・セルティック:ジョグ・スタイン
大会最多得点:シンドバル(フェイエノールト)、
ジョーンズ(リーズ・ユナイテッド) 各7点
◆フェイエノールトが延長戦を制す
1900年に創設されたアヤックス(アムステルダム)より遅く、1908年にロッテルダムに設立されたフェイエノールトは、元オーストリア代表として1954年、58年ワールドカップで活躍したエルンスト・ハッペルを監督に迎え、創造的なチームに仕上がっていました。
MFハジル(オーストリア人)、MFビム・ヤンセン、MFファンハネフムで構成される中盤、傑出した左ウィングのマウレイと最盛期を迎えたシンドバル(スウェーデン人)のパワフルな攻撃力は相手にとってやっかいな存在でした。
対戦相手は、第12回大会以来2回目の優勝を狙うグラスゴー・セルティックでした。
30分、セルティックのDFゲメルがFKからの強烈な左足シュートを決めて先制。フェイエノールトも直後の31分、これもFKから生まれたゴール前の混戦からDFイスラエルが頭で合わせ追い付きました。後半は両チーム無得点のまま1−1で試合は延長に突入。延長も終了間際の117分、フェイエノールトのMFビム・ヤンセンの上げたロビングボールがこぼれ、FWシンドバルが難なく決め、決着がつきました。
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フェイエノールト優勝記念カバー
(優勝したチームの選手達、得点者の主将イスララエルと
シンドバル選手、優勝杯を描くオランダのローカル切手)
(1970年9月20日発行・オランダ) |
(2)第11回リベルタド―レス・カップ(1970年)
◆エスツディアンテスLP(アルゼンチン)、南米3連覇
この大会にアルゼンチンのクラブは復帰しましたが、依然としてブラジルは参加しませんでした。
1回戦
18チームを4グループに分け、リーグ戦を行い各グループ1位と2位チームが準々決勝へ進む方式で行われました。
グループ1: |
1位 |
ボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン) |
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2位 |
リバー・プレート(アルゼンチン) |
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3位 |
ボリバール(ボリビア) |
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4位 |
ウニベルシタリオ(ボリビア) |
グループ2: |
1位 |
ナシオナル・モンテビデオ(ウルグアイ) |
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2位 |
ペニャロール(ウルグアイ) |
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3位 |
バレンシア(ベネズエラ) |
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4位 |
デポルティボ・ガリシア(ベネズエラ) |
グループ3: |
1位 |
ウニベルシタリオ (ペルー) |
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2位 |
LDUキト(エクアドル) |
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3位 |
ディフェンソール・アリカ(ペルー) |
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4位 |
アメリカ・キト (エクアドル) |
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プレイオフ オリンピア対ボリバール 2−1 |
グループ4: |
1位 |
グアラニ・アスンシオン(パラグアイ) |
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2位 |
ウニベルシダ・デ・チリ(チリ) |
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3位 |
オリンピア(パラグアイ) |
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4位 |
デポルティボ・カリ(コロンビア) |
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5位 |
アメリカ・カリ (コロンビア) |
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6位 |
レンジャーズ (チリ) |
準々決勝
グループ1: |
1位 |
リバー・プレート |
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2位 |
ボカ・ジュニアーズ |
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3位 |
ウニベルシタリオ |
グループ2: |
1位 |
ペニャロール |
|
2位 |
グアラニ・アスンシオン |
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3位 |
LDUキト |
グループ3: |
1位 |
ウニベルシダ・ド・チリ |
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2位 |
ナシオナル・モンテビデオ |
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プレイオフ
ウニベルシダ・デ・チリ対ナシオナル・モンテビデオ 2−1 |
準決勝
準々決勝各グル―プ1位クラブに前年チャンピオンのエスツディアンテス(アルゼンチン)を加えた4チームで行われました。
エスツディアンテスLP対リバー・プレート 3−1、1−0
ペニャロール対ウニベルシダ・デ・チリ 2−0、0−1、2−2
決勝
第1戦 エスツディアンテスLP対ペニャロール 1−0
1970年5月21日 エスタディオ・ラプラタ(ラプラタ・アルゼンチン)
得点 エスツディアンテス: トグネリ(87分)
第2戦 ペニャロール対エスツディアンテスLP 0−0
1970年5月27日 センテナリオ(モンテビデオ・ウルグアイ)
監督 エスツディアンテス:オズバルド・ズベルディア
ペニャロール:オスバルド・ブランドン
第11回最多得点:マス(リバー・プレート)、ベルトッチ(LDUキト)各9点
(3)第11回 インターコンチネンタル・カップ (1970年)
◆フェイエノールト、初挑戦で世界タイトル獲得
第1戦
エスツディアンテスLP対フェイエノールト 2−2
1970年8月26日 ボンボネーラ(ブエノスアイレス・アルゼンチン) 観客65,000人
得点 エスツディアンテス: エチェコパル(6分)、ベェロン(10分)
フェイエノールト:シンドバル(21分)、ファンハネヘム(65分)
第2戦
フェイエノールト対エスツディアンテスLP 1−0
1970年9月9日 フェイエノールト(ロッテルダム、オランダ) 観客70,000人
得点 フェイエノールト: ファン・ディール(65分)
監督 フェイエノールト:エルンスト・ハッペル
エスツディアンテス:オズバルド・ズベルディア
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フェイエノールト優勝
特別記念消印
<1970年10月24日付・
オランダ> |
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優勝監督
エルンスト・ハッペル
(マキシマムカード)
(オーストリア最優秀監督・2004年8月17日発行) |
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