第10部 クラブ国際大会の拡がり
6.インテル連続世界一に輝く
(1)第10回ヨーロッパ・チャンピオンズ・カップ(1963‐64シーズン)
◆インテル、10周年大会を連覇で飾る
予備予戦 (左側が勝者)
ディナモ・ブカレスト(ルーマニア)対スリエマ・ワンダラーズ(マルタ)
グラスゴー・レンジャーズ(スコットランド)対
レッドスター・ベオグラード(ユーゴスラビア)
ラピッド・ウィーン(オーストリア)対シャムロック・クローバーズ(アイルランド))
パナシナイコス(ギリシャ)対グレントラン(北アイルランド)
1FCケルン(西ドイツ)対パルチザン・チラナ(アルバニア)
アンデルレヒト(ベルギー)(抽選勝ち)対ボローニャ(イタリア)
リバプール(イングランド)対KRレイキャビク(アイスランド)
バシャシュ・ETOジェール(ハンガリー)対ケミエ・ライプチヒ(東ドイツ)
ロコモチフ・ソフィア(ブルガリア)対マルメ(スウェーデン)
DWSアムステルダム(オランダ)対フェネルバフチェ(トルコ)
リン・オスロ(ノルウェー)対レイパス・ラ八チ(フィンランド)
レアル・マドリード(スペイン)対B09オーデンセ(デンマーク)
デュクラ・プラハ(チェコスロバキア)(抽選勝ち)対グルニク・ザブジェ(ポーランド)
ベンフィカ(ポルトガル)対アリス・ボンネフォイエ(ルクセンブルク)
ラショ―・ド・フォン(スイス)対サンテチエンヌ(フランス)
◆ボローニャ予備予選で敗退
イタリア・リーグ(セリエA)1963−64シーズンで7度目のスクデットを獲得したボローニャは、フルビオ・ベルナルディー監督の下、イタリア代表とボローニャでセンターフォワードを務めたジャーコモ・ブルガレッリとウィングのエツィオ・バスクッティにデンマーク人ルラルド・ニールセンやドイツ人ヘルムート・ハーラー等で構成され、注目されていました。しかし、アンデルレヒトとの3試合を0−1、2−1、0−0と激闘後、抽選で敗れてしまいました。
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ボローニャ創立100周年
<1909−2009>
2009年8月25日発行・サンマリノ
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1回戦
予備予選を勝ち抜いた15チームに前シーズンのチャンピオン、インテル(新たに国名を表記、1963-64年イタリア・リーグ2位)を加えた16チームで行われ、勝利チーム(左側)が準々決勝へ進みました。
インテル(イタリア)対ディナモ・ブカレスト 6−0、1−0
グラスゴー・レンジャーズ対ラピッド・ウィーン 1−0、2−0
1FCケルン対パナシナイコス 1−1、2−1
リバプール対アンデルレヒト 3−0、1−0
バシャシュ・ETOジェール対ロコモチフ・ソフィア 5−3、3−4
DWSアムステルダム対リン・オスロ 5−0、3−1
レアル・マドリード対デュクラ・プラハ 4−0、2−2
ベンフィカ対ラシュー・ド・フォン 1−1、5−0
準々決勝
インテル対グラスゴー・レンジャーズ 3−1、0−1
リバプール(抽選勝ち)対1FCケルン 0−0、0−0、2−2
バシャシュ・ETOジェ―ル対DWSアムステルダム 1−1、1−0
ベンフィカ対レアル・マドリード 5−1、2−1
準決勝
インテル対リバプール 1−3、3−0
ベンフィカ対バシャシュ・ETOジェール 1−0、4−0
決勝
インテル対ベンフィカ 1−0
1965年5月27日 サンシーロ(ミラノ・イタリア)観客 89,000人
得点 インテル:ジャイール(42分)
監督 インテル:エレニオ・エレラ
ベンフィカ:エレク・シュバルツ
◆インテル対ベンフィカ
大会連覇をねらうインテルの前に立ちはだかったのは、この大会に5回出場し、4回も決勝進出を果たした強敵ベンフィカでした。特に、アウグスト、トーレス(今大会9得点)、エウゼビオ(同9得点)にシモンエスというそれぞれ個性のある攻撃陣が揃っていました。
しかし、ベンフィカに重くのしかかったのが、決勝会場でした。シーズン開始当初決められていた会場は、サンシーロ(インテルのホームスタジアム)。ベンフィカは中立地での開催を要求しましたが、受け入れられませんでした。
前半終了近くの42分、インテルのブラジル人FWジャイールが放ったシュートはベンフィカGKコスタ・ペレイラの股間を抜け、そのままゴールへ。当日の雨でピッチ上は水浸しだったためのGKのミスだったかも分かりません。
57分、ペレイラを不運が再び襲い、坐骨神経痛によりプレイ不可能となりピッチを去りました。このアクシデントに伴い、GKの代役を務めたのはDFジェルマーノでした(当時はまだ、負傷による選手交代は認められていません)。
インテルはこのような有利な状況を逃さず、大会2連覇を達成しました。
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FBジャチント・ファケッティ
(1968年8月22日発行・
アジュマン) |
FBダルシシオ・ブルニチ
(1968年8月22日発行・
アジュマン) |
(2)第6回リベルタド―レス・カップ(1965年)
◆インデペンディエンテ南米2連覇
1回戦
9チームを3グループに分け、リーグ戦を行い各グループ1位チームが準決勝へ進む方式で行われました。
グループ1: |
1位 |
ボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン) |
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2位 |
ザ・ストロンゲスト(ボリビア) |
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3位 |
デポルティボ・キト(エクアドル) |
グループ2: |
1位 |
サントス(ブラジル) |
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2位 |
ウニベルシタド・チリ(チリ) |
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3位 |
ウニベルシタリオ(ペルー) |
グループ3: |
1位 |
ペニャロール(ウルグアイ) |
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2位 |
グアラニ・アスンシオン(パラグアイ) |
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3位 |
デポルティボ・ガリシア(ベネズエラ) |
準決勝
1回戦突破3チームに、前年チャンピオンのインデペンディエンテ(アルゼンチン)を加えて行われました。
インデペンディエンテ対ボカ・ジュニアーズ 2−0、0−1、0−0
サントス対ペニャロール 4−5、3−2、2−1
決勝
第1戦 インデペンディエンテ対ペニャロール 1−0
1965年4月9日 コルデロ(アベラネダ・ブエノスアイレス)
得点 インデペンディエンテ:ベルナオ
第2戦 ペニャロール対インデペンディエンテ 3−1
1965年4月12日 センテナリオ(モンテビデオ・ウルグアイ)
得点 ペニャロール:ゴンチャルベス、レズニック、ローチャ
インデペンディエンテ:デ・ラ・マタ
第3戦(プレイオフ) インデペンディエンテ対ペニャロール 4−1
1965年4月15日 エスタディオ・ナシオナル(サンチャゴ・チリ)
監督 インデペンディエンテ:ギディチェ
ペニャロール:ロケ・マスポリ
第6回最多得点:ペレ(サントス)7点
(3)第6回 インターコンチネンタル・カップ (1965年)
◆インテルが世界2連覇
前回と同じチームによる対戦となりましたが、インテルが初戦をホームで圧勝した勢いのまま、アウェイでも譲らず、再び世界の頂点を極めることに成功しました。
第1戦
インテル対インデペンディエンテ 3−0
1965年9月8日 サンシーロ(ミラノ・イタリア) 観客70,000人
得点 インテル: ペイロ(3分)、マッツオ―ラ(23、61分)
第2戦
インデペンディエンテ対インテル 0−0
1965年9月15日 コルデロ(アベラネダ) 観客70,000人
監督 インテル:エレニオ・エレラ(Herrera)
インデペンディエンテ:ギディチェ(Guidice)
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インテル集合写真
<上部にエレニオ・エレラ監督顔写真入り・
シート地に
ヨーロッパ・チャンピオンズ・カップとインターコンチネンタル・カップ
を表示>
(1968年8月22日発行・アジュマン) |
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