第7部 ワールドカップ、世紀末から新世紀へ(1998〜2010年)
9.第17回ワールドカップ・韓国/日本大会 (2002) D
― 史上初、アジアでの共同開催 ―
◆ 準決勝
◇ ドイツ対韓国 1対0
<6月25日・ソウル ワールドカップ競技場>
前半8分イ・チョンスが車・ドゥリからの折り返しをダイレクトでシュート、決まったかに思えましたが、GKカーンが右手1本でセーブ。75分、バラックのシュートを韓国GKイ・ウンジェが弾き、詰めていたバラックがこれを決めて先制。ヒディング監督も後半54分、56分、80分に選手交代、攻勢をかけますがドイツのカーンと守備陣の守りは堅く、韓国は準決勝で敗退しました。
◇ ブラジル対トルコ 1対0
<6月26日・埼玉スタジアム2002>
1次リーグでの対戦ではブラジルが2対1で勝利を収めました。リベンジの機会を得たトルコは、立ち上がりから攻勢を仕掛けますが、20分頃からブラジルが立て続けにシュートを放ちはじめ、前半だけで5度の決定機を作りだしました。この猛攻に立ちはだかったのが、トルコのGKリュストゥ、前半を無得点に抑える活躍でした。
後半に入って間もない49分、味方からのパスを受けたロナウドが、巧みなドリブルで相手を次々とかわし、最後はタイミングをはずしたトゥキックによるシュートが決まり、優位に立ちました。ブラジルは、その後守備重視の布陣をしき、GKマルコスを中心とした守備陣のねばり強さでトルコを完封しました。
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準決勝
対ブラジル戦
記念カバー
(2002年6月26日付
特別記念消印・トルコ) |
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準決勝<ブラジル対トルコ>戦記念自作シート
(2002年6月26日付
特別記念消印と記念小型印2種・浦和中央局) |
◆ 3位決定戦 トルコ対韓国 3対2
<6月29日・大邱総合競技場>
トルコの勝利への意気込が、キックオフ 直後(開始11秒・公式記録は1分)の先制点につながりました。9分に韓国のイ・ウルヨンがFKを決め追いつきますが、13分には再度トルコの2トップ、イルハンとハカン・シュクルのパス交換から、最後はイルハンが押し込み、リードを奪いました。さらに32分にも2人のコンビネーションプレイから、イルハンが追加点を決め、突き放しました。
最後まであきらめない韓国は51分、63分と得点機会を作り出していた、ソン・ジョングクが終了直前に決めましたが、そこまで。白熱の試合に終止符が打たれました。
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3位獲得記念切手 2種 (2002年7月29日発行・トルコ) |
韓国は、大会後の8月7日、大会成績4位を記念する大型シートを発行しました。
ヒディンク監督以下23人の代表選手を背番号順に収めています。シート地の上部に選手名と背番号が記され、真っ赤に染まったスタンドのサポーター、レッド・デビル、国旗が描かれ、大会当時の熱気が、よみがってきます。
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<配列:上段左から>
ヒディング監督/1 GKイ・ウンジュ/2 DFヒョン・ヨンミン/
3 MF チェ・ソンヨン
4 DFチェ・ジョンチョル/5 MFキム・ナムイル/
6 MFユ・サンチョル/7 DF キム・テヨン
8 FW チェ・デウ/9 FW ソル・ギヒョン/10 MF イ・ヨンピョ/
11 FW チェ・ヨンス
12 GK キム・ピュンジ/13 MF イ・ウリョン/14 FW イ・チョンス/
15 DF イ・ミンソン
16 FW 車ドゥリ/17 MF ユン・ジョンファン/
18 FW ファン・ソンフォン/19 MF アン・ジョンファン
20 DF ホン・ミョンボ/21 MF パク・チソン/
22 MFソン・ジョングク/23 GK チェ・ウンソン |
―ちょっと寄り道―
「『イルハン王子』ソチ五輪出場を目指す」
2013年9月26日付読売新聞(夕刊)によりますと、2002年ワールドカップで、トルコ代表として大会3得点を挙げ、同国3位獲得に大いに、貢献したイルハン・マンスズ選手(現在38歳)が、今度は、フィギュア・スケートのペア選手としてソチ・オリンピック出場を目指して最終予選に挑んでいる、とのことです。
本稿掲載の準決勝、対ブラジル戦記念カバーの左部分写真下部に、先頭を走っている17番の選手がイルハンです。
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