第7部 ワールドカップ、世紀末から新世紀へ(1998〜2010年)
5.第17回ワールドカップ・韓国/日本大会 (2002) @
― 史上初、アジアでの共同開催 ―
◆ 共同開催の決定
1996年5月31日のFIFA理事会において、アベランジェ会長自らがこれまで頑なに拒否し続けてきた「共催案」を提案し、共同開催が決定しました。それしか会長の座にとどまる道は残っていない現実を突きつけられた、「裸の王様」アベランジェの究極の選択でした。
◇ 素早かった韓国の切手発行
共同開催決定から2カ月しか経っていない8月1日、韓国郵政は切手と小型シート各2種を発行しました。大会のおよそ6年も前の発行自体に、当時の韓国の意気込みがうかがえます。
もちろん、未だ正式大会名称が決定する以前の発行ですので*、記載に拘束は無いものの、小型切手シート地には「POSTAGE STAMP TO COMMEMORATE THE HOSTING OF THE 2002 FIFA WORLD CUP」と表示されています。この表示は同国の海外向け特別記念印にも、そのまま使用されています。(国内向け消印には「World Cup Korea」と表示)
なお、切手に描かれている試合場面は、1994年ワールドカップ・USA大会 1次リーグ、グループCの韓国対ドイツ戦(2対3で敗戦)からのものだそうです。
注)* この大会の概要について最初にFIFAが両国を呼んで会議を開いたのは1996年11月でした。
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開催記念小型シート
(1966年8月1日発行・
韓国) |
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特別記念消印 (海外向け) |
特別記念消印 (国内向け) |
◇ 韓国の記念切手継続発行
上述のワールドカップ記念切手を第1次として、韓国は毎年、定期的に記念切手の発行を積み重ねました。 大会前年までを整理して掲げておきます。
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発行年 |
種類 |
テーマ |
第1次 |
1996年 |
2種類の切手と小型シート(2) |
USA大会試合場面(対ドイツ) |
第2次 |
1997年 |
2種類の切手と小型シート(2) |
ジュール・リメの肖像とけまり |
第3次 |
1998年 |
4種類の切手と小型シート(1) |
プレイ(4種類) |
第4次 |
1999年 |
4種類の切手と小型シート(1) |
競技場面 |
第5次 |
2000年 |
10種類の切手と小型シート(5) |
10の開催スタジアム |
第6次 |
2001年 |
5種類の切手と小型シート(5) |
5回のワールドカップ出場歴 |
切手上で、韓国が「2002 FIFA World Cup Korea/Japan」の表示をしはじめたのは、第4次、1999年発行からです。
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第2次開催記念カバー
<ジュール・リメ肖像>
と特別記念印付
(1997年5月3日発行・
韓国)
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第2次開催記念カバー
<韓国のけまり>
と
特別記念印付
(1997年5月3日発行・
韓国)
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第5次開催記念カバー
<過去5大会切手5種>
と特別記念消印
(2001年5月31日発行・
韓国) |
◇ 日本最初のワールドカップ切手
2001年5月31日、日本初の大会関連切手3種類(10円の寄付金付)が発行されました。モチーフは大会マスコット<フェリックス>でした。
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開催記念初日カバー
左<チームワーク>
右 (連刷)<フェアプレイ>
監督「アトー」(黄色)、
ストライカー「ニック」(青)、
「キャズ」(紫)
横浜中央局特別記念印(手押し用)と機械印付
(2001年5月31日発行・日本) |
◇ 大会公式記念絵ハガキ(サンリオ版)
日本らしさのまるで見えない記念切手に対して、公式ライセンスグッズの一つである大会記念絵ハガキの図柄は多種多様です。その中から3種を選んでみました。
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<波> |
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<ケマリ> |
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<和・ボール>
(3種とも、発売元:
株式会社サンリオ
ファーイ―スト・東京)
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