6月6日(火)
開幕は静かに迫っている
前日夕、フランクフルトに着き「ビバ!ハウス」で一夜を過ごした。「ビバ!ハウス」とは、仲間たちが勝手につけた名前で、ザクセンハウゼン地区の簡素なペンションだ。
ここに数部屋を借り、ぼくの主宰する「ビバ!サッカー研究会」の仲間たちが次つぎに訪ねてくることになっている。
ペンションのオーナー兼管理人は元ボクシング選手。食堂に小さなトロフィーが飾ってある。「フェスタがあるぞ、無料だぞ」と行くように勧めてくれた。
ペンションから歩いて10分、市の中心部を流れるマイン川の両岸の河川敷に3キロにわたって「ファン・フェスタ・2006FIFAワールドカップ」が3日から開かれている。テント屋台の記念グッズの店や食べ物屋が並び、音楽の演奏会や市民のスポーツイベントなどが組まれている。
川のまんなかに、パブリック・ビューイングのためのスクリーンが立ててある。太い 鉄パイプの杭を流れの中に打ち込み、その上に巨大な長方形の箱が載っている。水面から高さ4・5メートル。スクリーンの面積は144平方メートルということだ。ここで、9日から毎日、ワールドカップの全試合の映像を見ることができる。
ドイツがワールドカップをどのように迎えようとしているかを、この壮大なフェスタの準備にうかがうことができるように思った。
開幕前に日本から来て「あまり盛り上がっていない」とコメントしていた評論家がいた。でも、ドイツはドイツ流に静かに準備が進んでいるのだ。開幕はミュンヘンへ行かないで、フランクフルトで、ドイツの一般大衆とともに迎えることにした。
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