第8部 女子サッカー、戦後再出発から女子世界大会まで
9.第5回FIFA女子ワールドカップ・中国大会 (2007)
◆地域予選と本大会出場国
注)国名の後の数字は、( )内が「FIFA女子サッカー選手権」(第1回から第3回)を含む通算出場回数、+の後がオリンピック・女子サッカー競技出場回数を示します。
AFC(4) |
<開催国>
中国(5)+3 (女子アジアカップ1位)
<女子アジアカップ> 2、3位
オーストラリア(4)+2、
北朝鮮(3)
<大陸間プレイオフ日本対メキシコ戦勝利>
日本(5)+2
(女子アジアカップ4位) |
CONCACAF
(2) |
<女子ゴールドカップ> 1、2位
USA(5)+3
カナダ(4)+ |
UEFA(5) |
<ヨーロッパ予選> 1〜5組の各組1位
ノルウェー(5)+2
スウェーデン(5)+3
デンマーク(4)+1
ドイツ(5)+3
イングランド(2) |
CONMEBOL
(2) |
<2006スダメリカーノ・フェミニーノ> 1、2位
アルゼンチン(2)
ブラジル(5)+3 |
CAF(2) |
<アフリカ女子選手権> 1、2位
ナイジェリア(5)+2
ガーナ(3) |
OFC(1) |
<OFC女子ネイションズカップ> 1位
ニュージーランド(2) |
◇大陸間プレイオフ 日本対メキシコ
日本は4年前同様、本大会出場をかけ、またもやメキシコとホームアンドアウェイで本大会出場を争いました。
第1戦は2007年3月10日、国立競技場で行われ、立ち上がりからメキシコの攻勢にさらされましたが、37分宇DF津木瑠美からのクロスに澤穂希がヘディングで合わせ、先制しました。61分には澤からのクロスを、今度は、宮間あやがヘディングでネットを揺らし、2対0で勝利を手にしました。
第2戦はメキシコの高地、トルーカ(標高2600m)で行われ、今度も先制したのは日本、12分宇津木からのクロスが荒川恵理子にわたり、決めました。その後メキシコに18分と29分にゴールを許し、逆転され1対2で敗れました。
1、2戦合計3対2(アウェイゴール方式により4対2)で、「なでしこジャパン」は、ワールドカップ5大会連続出場を果たしました。
◆本大会 (2007年9月10日〜9月30日)
中国の5会場(上海、杭州、武漢、成都、天津)で、翌2008年北京オリンピックを控え、盛大に開催されました。
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開催記念(2007年9月10日発行・中国)
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◇1次グループリーグ
前大会同様、出場16カ国を4グループに分け、各グループ上位2チームずつが決勝トーナメントに進出しました。
◆1次リーグ グループ分けと順位
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1位 |
2位 |
3位 |
4位 |
A |
ドイツ |
イングランド |
日本 |
アルゼンチン |
B |
USA |
北朝鮮 |
スウェーデン |
ナイジェリア |
C |
ノルウェー |
オーストリア |
カナダ |
ガーナ |
D |
ブラジル |
中国 |
デンマーク |
ニュージーランド |
※太字が決勝トーナメント進出 |
グループAの日本は、初戦のイングランドと2対2で引き分け(宮間あや・2得点)。第2戦のアルゼンチンには、永里優季の得点により1対0で勝ちましたが、第3戦のドイツに0対2で敗れ、グループ3位で、決勝トーナメント進出を果たせませんでした。
◆決勝トーナメント
◇準々決勝
@ドイツ対北朝鮮 3対0
<9月22日 武漢・37,200人>
9月10日に行われた大会開幕戦、ドイツはアルゼンチンを大会史上最多得点(オウンゴール2を含む)の11対0で下しました。準々決勝の相手は大会初の決勝トーナメント進出を果たした北朝鮮でしたが、着実に得点を重ね、3対0で快勝しました。
AUSA対イングランド 3対0
<9月22日 天津・29,586人>
得点者:USA/48分、アビー・ワンバック、
57分、シャノン・ボックス、
60分 クリスティン・リリー
Bノルウェー対中国 1対0
<9月23日 武漢・52,000人>
得点者:ノルウェー/32分、ヘルロブセン
Cブラジル対オーストラリア 3対2
<9月23日 天津・35,061人>
得点者:ブラジル/4分、フォルミガ、
23分、マルタ(PK)、75分、クリスチアーニ
オーストラリア/36分、リサ・デ・バンナ、 68分 コルソープ
◇準決勝
@ドイツ対ノルウェー 3対0 <9月26日 天津・53,819人>
準々決勝までの4試合で、得点16失点0と破竹の勢いのドイツはこの試合でも、42分ロニング、72分 ケルシュティン・シュテーゲマン、75分マルティナ・ミューラーが得点し、無失点のまま決勝へ勝ち上がりました。
Aブラジル対USA 4対0 <9月27日 杭州・47,818人>
ブラジルも攻撃力で勝ち上がってきたチームでしたが、20分にオズボーンが相手オウンゴールを誘い、先制。27分にマルタの追加点で差を広げ、その後も59分、オライリー、79分マルタが再び決め、4対0でUSAに圧勝し、観客を驚かせました。
◇3位決定戦
USA対ノルウェー 4対1 <9月30日 17:00〜 上海・32,068人>
USAは、30分、46分にアビー・ワンバック、58分チャラブニ、59分オライリーと得点を重ね、ノルウェーを63分のラグンヒル・ルブランセンによる1失点に押さえ込み、3位を獲得しました。
◇決勝
ドイツ対ブラジル 2対0 <9月30日 20:00〜 上海・31,000人>
ブラジルの準々決勝までの5試合の戦績は、17得点、失点2、でした。しかしドイツのそれは、ブラジルの上を行く、19得点、失点0。好調同士の対決となりました。
試合は前半を終えて0対0の展開でしたが、52分ビルギット・プリンツが先制、終盤86分にもラウデールが追加点を奪い、2対0のまま終了。ドイツは女子ワールドカップ初となる、2大会連続優勝を遂げました。
初めて準優勝を手にしたブラジルのマルタ選手は、大会最多得点7点を記録し、得点王と大会最優秀選手賞に輝きました。
◇ドイツの連覇達成記念郵諏品
2003年大会優勝に続く連覇達成を記念する郵諏品を紹介します。ドイツには「スポーツ・オリンピック郵諏団体(I.M.O.S)」という組織があり、ドイツ郵政が発行する記念切手や記念消印などを採り入れた記念カバーやはがきを作成、提供してくれます。今回は「スポーツ振興」40周年記念をも兼ねて発行されています。
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決勝戦用特別記念消印 |
2連覇達成特別記念消印 |
(2007年9月30日・フランクフルト局印・ドイツ) |
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優勝記念切手付カバー
(歓喜のドイツチーム)
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優勝記念切手付カバー
(フランクフルト、レーマベルク広場で連覇を祝う人々)
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◆画像をクリックすると、拡大画像をご覧いただけます。
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