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「カナリア軍団」、地元の評判は? (2014/5/20)
W杯出場国の代表選手・メンバーが次々に発表されているが,W杯史上初のHEXA(6回優勝)を狙うブラジルは、FELIPE監督が5月7日、世界に先駆けてメンバーを発表した。優勝候補の筆頭にあるだけに発表当日は内外から報道陣(テレビカメラ、新聞記者など)600人がCBF(ブラジルサッカー協会)本部のあるリオに詰め掛けた。NHKも取材班を送り込んだというから日本でもテレビ・ニュースで伝えられたと思うので、23名(登録選手)+7名(補助選手)のリストは省くが、主な選手とブラジル国民の評判はどうだったかについて私なりのレポートを書いてみたい。
★W杯初出場が17人
発表された選手中の17選手がW杯初出場である。いつもなら出場経験の多いベテラン選手が主力になるのだが、今回は僅か6選手にとどまっている。
ベテラン選手で必ず招聘されると思われていたRONALDINHO、KAKA、ROBINHOが選ばれなかったことに不満を唱えるファンも多いと云う。
FELIPE監督が2002年の日韓W杯で「PENTA」(5回優勝)の記録を打ち立てた時の選手リストと比較してみると
2002年 2014年
(日韓) (今回)
平均年齢 26.7才 28.4才
外国から招聘選手 10選手 19選手
平均身長 1.80m 1.80m
W杯出場経験選手 8選手 6選手
表彰された選手数 3選手 (未定)
今回は新戦力に期待していることが判る。ちなみに1950年ブラジルが開催国になり決勝戦でウルグアイに敗れて準優勝となった時のW杯未経験選手数と偶然にも同じだという報道もあった。
FELIPE監督に言わしめれば、新人選手ほどW杯出場のチャンスを与えられたことに自らの成長を賭け、ここが見せ場と大いに発奮し、ベテラン選手を凌ぐ活躍を見せる筈だと云う。
★FELIPE監督の描く11人
先月ヨーロッパを廻って候補選手たちと直接話し合って来た監督の頭に描かれた11人は次の顔ぶれだと思われる。
GK:JULIO CESAR
DF:THIAGO SILVA
DAVID LUIS
MF:DANIEL ALVES
LUIZ GUSTAVO
MARCELO
PAULINHO
OSCAR
FW:NEYMAR
HULK
FRED
代表選考にあたっては、今年10月の大統領選挙にからんで政治家たちからの推薦や圧力が多くあったというが、FELIPE監督は誰の言葉にも動かされなかったと強調した。2002年日韓W杯にROMARIOをよばなかったと大統領までが不満を公言した時でも、FELIPE監督は耳を貸さなかった経緯がある。
★NEYMARを信頼
注目のNEYMAR選手は、前年のコンフェデレーションズ・カップのあとバルセロナに移籍したため、一部のマスコミの間では必ずしも評判が良くなかった。
移籍のときは代理人さえ知らなかったうちに父親が自らバルセロナ会長と裏契約を交わして巨額な契約金を貰っていたことが発覚し、FIFAが禁止している「プレ・コントラクト」だと問題になった。
スペインの今シーズンのプレーぶりは「期待通りではなかった」と評価が下がったこともあった。さらにリーグの終盤戦で怪我をして、全快に30日以上かかると診断されていた。
それでもFELIPE監督は、コンフェデ杯優勝の立役者としての功績を高く評価して文句なく招聘した。怪我からも順調に回復しているようだ。
W杯初出場となるが、王様ペレェ,神様ジーコ,悪童ロマリオ,怪物ロナウドに続いて、監督の期待に応えるであろうことを国民の全てが信じているようである。
ともにバルセロナから選ばれたDFのDANIEL ALVES選手は、ブラジル帰国寸前の試合で観衆から人種偏見の野次を受けてバナナを放り投げられたが、悠然とした態度でバナナを拾い上げ、皮を剥いて食べて観衆の大喝采を浴びた。
心ない観衆の卑劣な行為にユーモアで報いた態度は、FIFAのブラッター会長からも絶賛され「カナリア軍団」に華を飾ったとして、ブラジルでも高く評価されている。
FELIPE監督は代表選手発表を前にして自分の郷里であるリオ・グランデのノッサ・セニョーラ・カラパッチオ教会に必勝祈願をした。2002年日韓W杯に出掛けた時にもこの教会に祈願している。
開幕戦まで、チームとしてのトレーニング期間は18日間。この短い時間での準備に全力を傾けて、期待にこたえてくれることを、FELIPE監督のアミーゴである私も、祈るような気持ちで待つことにする。
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