アーカイブス・ヘッダー

 

   
サッカーマガジン 2006年6月20日号
ビバ!サッカー

日本は強い! 楽観論で開幕へ

 ドイツのワールドカップで、ジーコ日本がどこまでやれるだろうか? 本番直前になって、ぼくは、にわかに楽観論になった。グループリーグ突破の可能性は7分どおり、その後は組合せしだいでベスト8の可能性も、と夢みている。
 グループリーグの組合せが決まってからずーっと、ベスト16進出の可能性は五分五分だと思っていた。4チームのなかから2チームが進出できるのだから、五分五分は当然の確率だが、ブラジルが格上だと考えるならば、3チームから1チームを選ぶわけで、五分五分でも相当の楽観論である。
 それを、さらに7分どおりまで格上げしたのは、最終キャンプに入ったあとの仕上がりが、思った以上に順調らしいからである。
 5月30日にレバーグーゼンで行なわれたドイツとの強化試合でのようすは、楽観論を裏付けるものだった。大会直前のこの種の試合の勝敗は、なんの参考にもならない。だから2−2の結果を評価しているわけではない。試合ぶりのなかに、選手たちの取組みの充実度とチームプレーの向上度が、どの程度うかがえたかである。
 日本時間の31日の朝早く、テレビの中継を見ながら「この試合での評価は、60分までだな」と考えていた。
 ジーコ監督は、6月12日の第1戦に照準を合わせて、コンディショニングをさせているだろう。そうであれば、この時点では、体調としては6分くらいの仕上がりのはずである。だから90分試合のうち60分くらいまでが、戦える状態だろうと推測したわけである。
 それに先発組以外の選手も試してみたいに違いない。最後の30分は選手交代を試みる時間帯になるだろうと考えた。
 60分間の戦い振りを見て、ぼくは楽観論を確認した。もちろん開幕を10日後に控えているから、お互いに手の内をさらけだして戦ったわけではない。それでも、日本もドイツも、本番で予想以上にやれるんじゃないかという印象だった。
 大胆な楽観予想をすれば、オーストラリアに2−0、クロアチアに1−0。第3戦はブラジルも進出が決まったあとだろう。
 ボールは丸い。どちら側に転ぶかは事前には分からない。3連敗という予想も立てられるだろうが、楽観論で楽しく開幕を迎えたい。
 ついでに、優勝争いを予想すれば、ブラジル対ドイツあるいはオランダの決勝戦で、ブラジルの優勝。興味深いのは準々決勝で欧州と南米の常連の対決。顔ぶれに大きなサプライジングがあるとすれば日本の進出なのだ…。


前の記事へ戻る
アーカイブス目次へ

コピーライツ