五月祭で運動会ア式蹴球部が「ワールドカップとその世界」と題するシンポジウムを開く。五月祭は東大の大学祭、運動会は体育会、ア式蹴球部はサッカー部である。名前はいかにも古くさい。でも体育会の運動部がシンポジウムをやるのは新しい試みではないか? 5月27日午後1時から。場所は本郷の東大正門前からはいったところの建物の3階、法文27号教室である。
前半と後半に分ける。前半はOB3人の短めの講演である。
まず岡野俊一郎さんが「ワールドカップとオリンピック」について語る。どちらも4年に一度の世界的なスポーツ大会だが、性格は大きく違う。岡野さんは日本サッカー協会の名誉会長であり、国際オリンピック委員会の委員である。両方の立ち場で、その違いの利害得失をどう説明するかと注目している。
2番目に浅見俊雄さんが「審判の視点から」ワールドカップを語る。浅見さんは国立スポーツ科学センターの初代センター長だった。科学者として教育と研究をしながら、サッカー協会では審判に取り組んできた。国際大会の裏話を聞けたらおもしろい。
3番目は、ぼくが「ジャーナリストの立ち場から」話をする。「牛木の意見は聞きあきたよ」といわれるかもしれないが、大学祭のお客さんは、このページの読者とは限らないので、かんべんしてもらいたい。
ハーフタイムをはさんで、後半は「ドイツ大会、あと2週間」を話し合う。
このシンポジウムは、ワールドカップをいろいろな角度から、また広い視野で見てみようということで考えられた。
日本代表がどこまで進出できるだろうかとか、ロナウジーニョがヒーローになるだろうかとか、イタリアが優勝候補だとか、そういう話は、新聞や雑誌にあふれている。
でも、ワールドカップのおもしろいところは、自国の代表やスーパースターや優勝争いだけじゃないよ、ほかにもいろいろな世界が広がっているよ。というようなことを考えてみようという趣旨である。
とはいえ、日本代表の成績や優勝予想も興味あるところだから、後半には、フロアの参加者もふくめて、そういうことも聞いてみたい。
大学が変革を迫られている時代に、運動部が自分たちのスポーツをやっているだけでいいのだろうか。学外にむかって情報を発信し、学外に耳を傾けて情報を取り入れるべきではないか。そういう考えで試みる企画である。満員にならないかぎり、だれでも無料で入場できる。
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