東京の北千住で、ぼくが主宰している「ビバ!サッカー講座」がある。このコラムの熱心な読者が集まっている会である。月2回、第2、第4土曜日の夜に半年1期で11回開講している。
これを10月から来年3月までの第11期でキリよく打ち切ることにした。サッカーだから「11」がキリがいい。
この講座は読売・日本テレビ文化センター北千住で2000年の10月から始まった。そして2002年のワールドカップについての本を2冊、参加者たちが書いて出版した。そのあとJリーグについての本を1冊出し、いま来年のワールドカップに向けて4冊目を準備中である。
しかし、来年も講座を続けるとドイツ大会観戦に差し支える。だから来年を区切りにしようという理由もある。
これが最後の講座になるから、気合いを入れて「サッカー学」の総まとめをやろうと考えている。5年間にわたって、いろいろなことを話してきた。それを少し体系的にならべてみようと思う。
たとえば「サッカーはどんなスポーツか」というテーマがある。野球とは違う考え方、違う組織がある。そのことをいろいろな機会に話したり、書いたりしてきた。それを1回にまとめてみたい。
あるいは「システムの歴史」についての話がある。2トップだとか、4バックだとか、いろいろな解説が新聞や雑誌に載っているが、そういう試合のシステムがどのように発達してきたか、というようなことは、あまり知られていない。専門書には載っていること以外にも、ぼくの長年の取材経験から知った具体的な話を入れてまとめてみたい。
「サッカーの歴史」についても一般には知られていない角度から取り上げてみたい。最近気が付いたことだが、戦前の日本で、サッカーの普及に各地の医科大学が貢献した記録がある。岡山や千葉や新潟などである。むかしの医学部の学生はドイツ語で学んでいたので、医大のサッカー部はドイツのサッカーを文献で取り入れたのではないかという気がする。
来年のワールドカップ開催国はドイツである。だから「ドイツとその文化」についても取り上げる。この部分は駿河大学のドイツ文学の先生でサッカー通の明石真和さんに毎回、講座の一部を引き受けてもらうことにした。
というわけで「ドイツ学とサッカー学」入門を聞いたり話したりしながら、来年のワールドカップ観戦の準備をしようという狙いである。
興味のある方のお問い合わせは、
読売・日本テレビ文化センター北千住 「ビバ!サッカー講座」
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