アジア・チャンピオンリーグ(ACL)で、横浜F・マリノスもジュビロ磐田も敗退した。これで、12月に開かれる世界クラブ選手権に地元の日本チームは出られないことになった。日本サッカー協会にとっても、FIFA(国際サッカー連盟)にとっても痛いだろうね。地元チームが出場して健闘しないと、大会は盛り上がらないからね。
横浜と磐田の敗退は「過密日程」が原因だと日本のマスコミは伝えている。両チームはJリーグが開幕したあと、週に2試合の12連戦を戦った。そのほかに代表チームの試合があり、そちらに出なければならない選手もいる。中国や韓国のチームに比べて疲労が激しかったということである。
そういう事情もあっただろう。しかし韓国や中国も国内のリーグや代表チームの試合がなかったわけじゃない。事情は多少違うにしても、日程が苦しいことに変わりはないに違いない。日本だけが過密日程だと強調しすぎると、問題の背景を見過ごすことになりかねない。
ポイントは、アジア・チャンピオンリーグヘの取り組み方である。国内リーグより優先して「ぜひともとりたい」と思って戦うのか、国内リーグのほうが大切だけど「できればアジアのタイトルも」と思って戦うのか。その気構えの違いである。思うに中国や韓国は、国際的な勝負とタイトルを優先して考えたのではないか。
それでは、横浜も磐田も、国内リーグの手を抜いてでも、アジアのタイトルを狙うべきだったのだろうか?
あるいは、日本サッカー協会とJリーグは、横浜と磐田の都合を優先して日程を編成すべきだったのだろうか?
ぼくは、そうは思わない。
二つ、あるいは三つのタイトルを追うのであれば、最優先のねらいは国内リーグである。もともとサッカーの試合は、地元のクラブのチームが近隣のクラブのチームと対戦することに始まり、そのために組織されたのがリーグである。リーグが「もと」であり、地元の試合が最優先である。極論すれば、国際試合やカップ戦は「つけたし」である。
浦和や鹿島や新潟のサポーターが、代表チームより、地元クラブのリーグ試合に熱狂するのは、健全な傾向である。これがスタートだ。
とはいえ、アジア・チャンピオンリーグを軽視していいというつもりはない。グローバル化の時代だ。これから、たいせつに育てたい。そのためには、出場するチームのクラブにとって、また地元のサポーターにとって価値があり、実利をともなうものである必要がある。
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