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サッカーマガジン 2005年4月5日号
ビバ!サッカー

殿堂入り選手の年齢制限

 日本サッカー協会が「日本サッカー殿堂」を設けることになった。目立った業績を残した選手(競技者)や功労者を選び、サッカー・ミュージアムに肖像の額を掲げようという計画である。
 第1回の掲額者は3月10日の協会理事会で承認されて発表された。「サッカーマガジン」には、前号(1018号)の38〜39ページに載っている。
 これについて、友人たちが、いろいろな意見を言う。
 「カズだって入れるべきだ」
 「メキシコ銅メダルのオギやワッタンが入っていないのはおかしいよ」
 カズはいまもプレーヤーとして頑張っている三浦知良、オギは広島で協会の役員として活躍している小城得達、ワッタンは日本代表の監督も務めた渡辺正だ。ワッタンはすでに亡くなっている。
 これには、ちょっと誤解がある。
 選考の段取りをした「殿堂委員会」にぼくも加わっていたので事情を知っているのだが、今回選ばれなかった人が今後の対象からはずされるわけではない。
 掲額は、すでに亡くなっている人以外は60歳以上を対象とすることになっていた。これは、最初に協会から殿堂委員会に示された原案どおりである。
 カズは、まだ38歳だから今回の対象外である。
 60歳以上となると1968年のメキシコ・オリンピック銅メダルのプレーヤーたちが、やっと資格を得る。そこで、今回は東京とメキシコのオリンピック出場者だけを候補者リストにあげることにした。候補者の範囲を、とりあえず客観的に限ることができるからである。また、もっと古い時代の人たちを対象にしても投票者のほとんどは見たことのない「歴史上の人物」になる。
 というわけで、今回は21人の元オリンピック代表選手のなかから5人連記で投票してもらった。結果的に50%以上の得票を得たのが5人になって、その5人をまず掲額することにした。
 というわけで、今回選出されなかった人が、今後に掲額される可能性はおおいにある。また今後、新たな候補者が毎回追加されていくことになるだろう。
 でも、問題はある。
 投票するのは大部分が現在のジャーナリストである。対象となる選手たちのプレーを実際に見た人は少ない。
 カズが対象となる22年後に、いまカズを取材している人たちが投票できるかどうかは、はなはだあやしい。
 ほかにも殿堂委員会で検討したことは多かった。ここでは投票する人と投票される人の年齢の問題だけをとりあげて紹介しておくことにする。


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