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サッカーマガジン 2005年3月29日号
ビバ!サッカー

Jクラブのフリーペーパー

 朝寝坊して、まだベッドの上にもぐっているときに、友人から電話がかかってきた。「朝日新聞に仲間の記事が出てますよ。写真つきですよ」
 3月10日付け朝刊のスポーツ面。連載「Jのある街」の第2回に湘南の「ベルマーレ・ホームタウン新聞」が取り上げられていて、記者の飯竹友彦さんが主人公になっていた。飯竹さんは、ぼくが主宰している「ビバ!サッカー講座」出身グループの仲間である。
 「ベルマーレ・ホームタウン新聞」は地元の神奈川県平塚市を中心に発行されている月刊新聞である。チームカラーの緑色の紙に印刷して、4000部を無料で配布しているという。
 千葉・市原を中心に、ジェフユナイテッドの「ジェフ・プレス」が発行される話も、その前に聞いていたので、「サッカーのフリーペーパーが役立ちつつあるんだな」と思った。
 「ジェフ・プレス」は月1〜2回発行、紙は黄色である。無料紙は配布の方法が問題だが、駅にスタンドを置いてもらうということだった。JR東日本が親会社の一つだからできることかもしれない。
 いまや、インターネットの時代である。ほとんどの組織は、ホームページで自分たちの情報を提供し、双方向で人びとの意見を聴き、PRしている。そういう時代になぜ一方通行の媒体であるフリーペーパーなのか?
 「ホームページにアクセスする人はクラブなり、チームなりに、すでに関心を持っている人ばかりでしょ。底辺を広げるには関心のない人たちには呼び掛けなくてはならない。そのためには一般の人たちの目に触れる印刷媒体のほうが有効なんでしょう」
 「ジェフ・プレス」について説明してくれた仲間が、そう教えてくれた。
 これは、ネットと印刷媒体が共存する一つの形になるのだろうかと考えた。
 「ベルマーレ・ホームタウン新聞」に記事を書いている飯竹さんとは北千住の「ビバ!サッカー講座」で知り合った。この講座は、そもそもは、サッカーについての文章講座としてスタートしたのだが、現在では、もっと輻広く世界のサッカーについて勉強する集まりになっている。しかし、多くの人がネット上やペーパーで文章を発表するようになってくると、文章講座も意味があったのかなという気がしてきた。
 ところで、飯竹さんの活動が新聞の目に止まったのは、仲間で出した「Jリーグのある暮らし」(中央公論事業出版)という本がもとらしい。連載のタイトル「Jのある街」も本と似たような趣旨なので、おおいに気をよくしている。


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