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サッカーマガジン 2005年3月15日号
ビバ!サッカー

ドイツW杯を楽しく待つ講座

 Jリーグ13年目がはじまり、ワールドカップのアジア予選は正念場、欧州チャンピオンズリーグもおもしろい。最近のサッカー界はいろいろ目移りするが、ぼくは来年の2006ドイツ・ワールドカップに焦点を合わせてみようと考えている。いや、なに、ぼくが東京の文化センターで月2回、土曜日の夜に開いている「ビバ!サッカー講座」の話である。
 内容に二つのコーナーを考えている。
 一つはワールドカップの歴史を振り返ってみること。たとえば、第1回大会が1930年にウルグアイで開かれたのはなぜだろうか? 第1次世界大戦によって大西洋を横断する海運が発達したためではないだろう? というようなことを考えてみる。根拠のある話でなくてもいい。いろいろなことを想像しているうちに、世界のサッカーがますますおもしろくなってくるんじゃないか。
 ぼくは1970年メキシコ大会から9回連続で取材に行っている。つまり過去17回のうち半分以上を現地で見ている。この経験を生きているうちに話しておきたい。自宅の倉庫に70年以来の取材資料がほこりをかぶっている。これも、この機会に整理したい。もっとも、整理のほうは怠け者だから、できるかどうかはおぼつかない。
 第二には、世界各国のサッカー事情をみなで勉強したい。これは前年度からやっていて、日本に来ている外国の人を毎回招いて話を聴いた。スウェーデン、エジプト、インドネシア、ウクライナなどいろいろな国の人が来てくれた。多くは留学生である。代表チームやスター選手の話ばかり聴くのではない。サッカーにどういうふうに関わって育ったか、家族の生活が学校やクラブのスポーツとどうつながっているか、女性のサッカーの実情はどうかなど、いろいろな話が出て実におもしろかった。講座のあと「延長戦」と称する近くのサッカー居酒屋の会にも付き合ってもらった。
 今後は主として、ドイツ大会に出場が決まった国の人を招こうと考えている。代表チームやスター選手のデータはインターネットでも知ることができる。しかし、その国の暮らしとサッカーの結びつきの感覚は、直接の話でなければ分からないところがある。それによって各国の個性的なサッカーのスタイルの背景にあるものを感じ取ることができれば、来年の大会が、ますます楽しくなるだろう。
 というわけで4月からはじまる新しい学期に、ぜひ参加してください。問い合わせは 読売・日本テレビ文化センター北千住 
「ビバ!サッカー講座」 


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