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サッカーマガジン 2004年11月9日号
ビバ!サッカー

サッカーとプロ野球の両立を

 プロ野球再編成騒動がサッカーに影響しそうになってきた。どうなることかと注目している。サッカーとプロ野球が両立するように考えなければならないと思う。
 プロ野球が球団の新規参入を認めることになり、手を挙げた二つのインターネット企業は、ともに仙台を本拠地に「地域密着」の球団作りを唱えた。
 さらに親会社の経営不振で先行きが心配されているダイエーホークスを引き受けたいと、これもインターネット企業のソフトバンクが、名乗り出た。すでに人気が定着している福岡での「地域密着」を唱えている。
 「地域密着」はJリーグの理念だったが、もはやサッカーの専売特許とはいかなくなったようだ。
 それとは別に、四国で各県にプロ野球チームを結成して地域リーグを作る計画も表面化した。東北地域でも同じような構想が出てきた。さらに、Jリーグのアルビレックス新潟の経営者が、すでに活動しているバスケットボールに加えてプロ野球の球団結成計画を明らかにした。
 地方の底辺からトップリーグヘと盛り上げていく「富士山型」の組織へ、野球も近付いていくのだろうか? これもサッカーの専売特許ではなくなりそうである。
 そうなると地方の都市では、野球とサッカーのクラブが競合することになる。それも日本のスポーツのためには悪くないと、ぼくは考えている。「プロ野球とサッカーの両立を」と40年も前にサッカーマガジンに書いた記憶がある。
 首都圏、近畿圈にくらべて人口の少ない地方都市で、プロ野球とサッカーを両立させるためには、双方にそれぞれ特徴を生かしたくふうが必要だろう。
 サッカーは、小さな子どもたちも、学校のサッカー部も、会社のアマチュアのチームも、プロのチームも同じ仲間としてサッカー協会が管轄することになっている。プロアマ共存で「見るスポーツ」とするスポーツが表裏一体である。こういう組織の特徴を伸ばしていかなくてはならない。
 サッカーは、プロ野球にくらべると試合数が少ない。毎日試合があるわけではない。だから地域のトップのチームが試合をする日には、その地域でサッカーをしている人たちが、こぞって応援するようにしたい。逆にトップのプロの選手たちは、積極的に地域の少年チームや学校チームのなかにとけこんでいって、お手本を示すようであってほしい。
 プロ野球との競争意識に駆られて、興行第一主義に陥らないように注意してほしいと、いまから願っている。


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