プロ野球の近鉄バファローズが、オリックス・ブルーウェーブと合併する話が持ち上がっている。バファロ−ズの親会社が球団経営を放棄しオリックスに譲り渡すことになるようだ。これがサッカーの場合だったらどうだろうかと考えた。
いろいろ問題がある。選手の保有権、営業の地域権、テレビの放映権、リーグのチーム数などなど…。
その中で、リーグの組織について考えてみた。
プロ野球は日本も米国も2リーグ制である。サッカーは日本のJリーグも、世界各国も1リーグ制である。
競技という面からは1リーグがいい。同じくらいの実力のチームが集まって試合をするのが趣旨なら、強いチームを2グループに分けるのは合理的でない。プロの営業の点からも好カードが少なくなるのは不都合である。いまの日本のプロ野球でいえば、巨人と西武の対戦は、ぺナントレースでは見られない。
では、なぜ2リーグ制になったのかといえば、それは先にあったリーグの球団が既得権益を守ろうとしたためである。あとから参入しようとしたところは、加入を認められなかったため、別のリーグを横並びに組織したわけだ。近鉄の合併を機会に、日本のプロ野球を1リーグ制にしようという意見があるようだが、セ・リーグの多くの球団は現在の権益を守るために賛成しないだろうと思う。
ところで、バファローズが消えてパ・リーグが5球団になったらどうなるか。
チーム数が奇数だと、毎日、1チームは試合ができないことになる。これは不経済である。そこで新たに1球団を加えようとしても、経営難で撤退するところが出ているくらいだから、新球団を抱えようというところは、なかなか現われないだろう。それにプロ野球には、新規参入を難しくしている規則もある。
サッカーは事情が違う。かりにJ1のクラブが撤退したら、J2から上げればいい。J2のチームが少なくなったら、さらに下から上げればいい。サッカーのリーグは横並びでなく、縦並びだからできることである。
こういうプロ野球とサッカーのリーグ組織の違いができたわけはこうである。
プロ野球は米国で、アマチュア野球とは別組織で、見せるための興行としてはじまった。一方、サッカーのリーグは、プロもアマチュアもいっしょになっているクラブが、試合をするためにはじまった。プロは別か、プロアマ共存かというところに根本的な違いがある。
Jリーグはプロアマ共存のサッカーの理念を忘れないでほしい。「Jリーグはプロだから別だ」と考えないでほしい。
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