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サッカーマガジン 2004年4月27日号
ビバ!サッカー

ジェフ市原・千葉と呼ぼう

 Jリーグの「ジェフユナイテッド市原」が「ジェフユナイテッド市原・千葉」と名称を変えるらしい。
 「千葉」が加わるだけだが、これまでホームタウンだった市原市には不満があるという報道があった。
 ジェフの場合、名称変更はやむをえないと、ぼくは思う。
 千葉市の蘇我に2万人収容の新しいサッカー場ができる。現在使っている市原市の臨海競技場は旧式の陸上競技場で収容能力は小さい。そこで今後は千葉市の蘇我を主に使うことになるだろう。それにジェフの人気もいまひとつで、観客数が伸び悩んでいる。千葉市を中心とする市民・県民の応援も得たいところである。というわけで、市原市に加えて千葉市を入れてホームタウンを広域化する。そのための名称変更である。
 ここまでは、おおかたの人が予想していた筋書きだった。
 ところが話はそれだけではなかった。
 「千葉・市原」というのは正式名称で、呼称は「ジェフユナイテッド千葉」とするのだという。市原市が苦情を言ったのはこの点で、佐久間隆義市長がJリーグを訪ねて、呼称を「市原・千葉」とするように求め、クラブにも要望書を出した。
 これは市原市の言い分がもっともだ。
 だいたい「正式名称」と「呼称」を分けるのがおかしい。
 クラブとしてはチームの正式名称として「ジェフユナイテッド市原・千葉」だけを決めればいい。人びとが、それ呼びやすく、どう簡略にするかは、なりゆきに任せればいい。ぼくは「ジェフ市原・千葉」で通用すると思う。
 マスコミが「短い名称」を要望することもよくあるが、マスコミには「市原・千葉としてください」とクラブのほうから要望すべきである。それを受け入れるかどうかは、マスコミの自由であるけれども…。
 なぜ、ぼくが呼称について市原市の肩をもつかというと、Jリーグができたとき以来のいきさつがあるからである。
 ジェフの前身の古河電工は東京のチームだったが、Jリーグは発足のとき東京には事実上ホームタウンを置けない規制を設けた。そこで、ジェフは首都圏周辺のスタジアム探しをしなければならなかった。
 その結果、受け入れてくれたのが市原市である。その後、市原市からいろいろな援助を受けている。市原市にあるクラブハウスや練習場でも、市原市の世話を受けている。
 そういう恩義を考えれば、正式名称を形だけのものにして、呼称で「千葉」を強調する魂胆は不徳義だと思う。


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