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サッカーマガジン 2004年4月13日号
ビバ!サッカー

サポーターのお国ぶり

 Jリーグのスタートは、アルビレックス新潟を追い掛けた。第1節はFC東京とのJ1開幕戦を、第2節はヴィッセル神戸を相手にしたホーム開幕戦を…。
 アウェーのJ1開幕戦は、東京の味の素スタジアムに3万5880人の観客を集めたが、うち見たところ、1階席の4割がオレンジ色に染まっていた。新潟からバス100台、地元で調達できる貸切バスの限度いっぱいだそうだ。上越新幹線も満員で臨時列車を出したという。
 第2節は新潟のビッグスワンに4万29人。こちらはほとんど全部、オレンジ色で埋まった。でも数百人のヴィッセル神戸のサポーターと試合前になごやかにエールを交換した。熱心さだけでなくマナーも日本一だ。
 数年前までは、それほどサッカーが盛んではなかったこの土地に、なぜ地面から湧き出たように多数のすばらしいサポーターが生まれたのだろうか? 第2節の試合を見にいったのを機会に仲間といっしょに関係者に話を聞いて回った。 
 すでに、いろいろ報じられているように関係者の仕掛けもあったしワールドカップや新スタジアムの効果もあった。 
 その中で一つ「なるほど」と思った話がある。それは「新潟は平野のまんなかだから」という説である。 
 スタジアムは越後平野の田園をはるばると見渡す新潟市の郊外にある。マイカーで来やすいし、駐車場も5000台分以上ある。スタジアムの駐車場だけでなく、近くの農家も庭先を貸している。1台の車に、おじいちゃんも、お父さんも、子どももいっしょに乗ってくる。車だからこそ、3世代揃って出掛けられる。それが楽しいサポーターが一挙に多数、生まれた原因だろうという。 
 そういわれてみると、お孫さん連れのお年寄りが目立つ。3世代同居の家族も多いのではないかと思った。 
 道路が狭く、核冢族が多い東京近辺ではこうはいかない。サポーターにもお国ぶりがある。そして、それには理由があるということだ。 
 そこで一つ思いついた。 
 ジェフユナイテッド市原の地元の千葉船橋市で、ぼくがコーディネーターになって「ビバ!サッカー講座京葉」を月2回、開いている。ここで「首都圏近郊のサポーター」について話し合ってみよう。大都市近郊には、それなりのサポーターのお国ぶりがあっていいのではないか。 
 この講座は、いろんな年代の男女のサポーターの楽しい集まりである。4月から新学期が3カ月1期で始まる。 
 お問い合わせは、読売・日本テレビ文化センター京葉「ビバ!サッカー講座」 


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