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サッカーマガジン 2004年2月17日号
ビバ!サッカー

高校サッカーの改革私案

 高校サッカーヘの風当たりが厳しい。正月の高校選手権の決勝戦は国立競技場を埋める大観衆を集め、国見高校がみごとな試合運びで優勝し、平山相太という未来の大物を生み出した。にもかかわらずである。
 ぼくが主宰しているビバ!サッカー講座北千住でも話題になった。
 「校歌を歌ったり、テレビが応援席の話を感激口調で伝えたりする。あれがいやだわ。一つの異文化として理解するほかないわね」という声もあった。
 批判される理由はいくつもある。
 この年代のチームにはクラブ・ユースもある。これをあわせた大会が、この世代の日本一を決める大会だ。高校チームだけの大会を、大きく取り上げるのはおかしい。
 勝ち抜きトーナメントの大会では、1回戦で負けたチームは1試合しか経験できない。優勝するチームは連戦で、ベスト・コンディションの試合を続けることはできない。この年代のレベルを上げようと思うなら、リーグ戦が中心でなければならない。
 などなど――。
 そういう問題に突破口を開こうと、高校とクラブをあわせたプリンスリーグが2003年からはじまった。これは、日本サッカー協会川淵新体制の英断だと思う。
 しかし、夏までの時期は、トップレベルの高校チームにとっては、まだチーム作りの途上だという問題がある。広い地域でのリーグ戦は旅行などの負担が大きいという問題もある。なかなか、うまくいかないようだ。
 そこで、さしあたっての改革私案を考えた。
 夏の高校総体、秋の国体、冬の選手権と勝ち抜きのトーナメントが三つもあるのは、よろしくない。ここは夏の総体をめざすチームと冬の選手権をめざすチームを分けてしまってはどうか?
 あまりレベルの高くない多くの高校は、夏の高校総体を最終目標にして、その後は2年生以下の新チームに切り替えている。そういうチームは高校選手権予選には出ないことにする。
 高いレベルの高校は、冬の選手権をめざしている。そういうチームは3年生が最後まで部活動を続けている。そういうチームは総体には出ないことにする。
 春は市町単位の狭い地域でリーグ戦をする。秋は都道府県単位の広い地域で、レベル別のリーグ戦をする。どちらも、クラブ・ユースといっしょにする。
 この私案に、協会も高体連も見向きもしないだろうな。みな自分たちの考えがベストだと思っているのだから。


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