アーカイブス・ヘッダー

 

   
サッカーマガジン 2003年12月2日号
ビバ!サッカー

トトスポーツを改革せよ

 トトの売り上げが急減しているそうだ。「それは困ったな」と思う。というのは、日本のスポーツを盛んにするためには、トトが絶対に必要だからである。
 最近、いろいろな競技で「ニッポン復活」のきざしが見えてきた。柔道や水泳や体操の世界選手権で金メダルをとれる選手が育ってきた。これには、いろいろな理由があるだろう。
 一つには国立スポーツ科学センターができるなどトレーニング施設や組織が充実してきたことである。もう一つは、1980年代まで日本のスポーツをしばっていたアマチュアリズムの制約がなくなって、トップレベルの選手たちが商業的な収入を得てトレーニングを続けられるようになったことである。
 それに加えて、選手強化費の助成がある。これは広告に使ってもらえないような地味なスポーツにとっては、とくに貴重である。その財源として卜卜が必要である。「オリンピックのメダルをとるために、トトの強化費を」と、ぼくは主張したい。
 一方で、スポーツの普及のためにもトトのお金がいる。
 いま全国のいたる所の町で、「スポーツクラブ作り」が広がっている。スポーツクラブのためには、ささやかではあっても更衣室や集会室のような設備が必要である。また1人か2人であっても専任の世話役を兼ねた指導者が欲しい。そういうお金を助成するためにも、トトの益金が欲しい。
 「スポーツの普及振興は、国民みんなのためだから、税金でやるべきだ」という意見もある。
 この考えには、ぼくは反対だ。
 それでなくても国の財政はピンチで赤字国債を発行しているのに、なんでもかんでも「税金で」というのは現実的ではない。
 それに「オリンピックで日の丸をあげることに血まなことなることはない」と考える人だって多い。だから国民全部が負担する税金で選手強化をするのは合理的ではない。「日本選手にオリンピックで、がんばって欲しいな」と思う人たちだけが、トトを買って応援すればいい。
 地域のクラブ作りには税金を役立ててもいいが、これはトトなどの収益からの助成と住民の負担を合わせて3本立てにすべきだと思う。
 というわけで、トトの売り上げが急減しているのは、日本のスポーツにとって大問題である。トトの大改革が必要なのではないか。とりあえず「スポーツのため」という趣旨を明確にするために名称を「トトスポーツ」と変えてはどうだろうか。


前の記事へ戻る
アーカイブス目次へ

コピーライツ