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サッカーマガジン 2003年3月5日号
ビバ!サッカー

中学生以下の個人登録費廃止を
日本協会の権限を各地に譲ろう 

 中学校のサッカーをどうするかを考えているなかで登録費の問題にぶちあたった。いまは日本サッカー協会が徴収することになっているが、必ずしもうまくいっていない。この際、中学生以下のチームからの個人登録費徴収は廃止してはどうか。チーム登録も地方に任せてはどうか。

北千住の仲間たち
 東京・北千住の読売・日本テレビ文化センターで月に2回、「ビバ!サッカー講座」を開いている。その仲間たちで「ビバ!サッカー研究会」を作っている。
 このページの熱心な読者の集まりである。この仲間でワールドカップをテーマにした『6月の熱い日々―サポーターズ・アイ』(中央公論事業出版)という本を出したことは、すでに紹介した。おかげさまで好評である。
 この北千住の講座では、このページに書いた記事のテーマを、毎回のように取り上げる。1ページの短い時評では、十分に説明しきれないところがある。また、いろいろな年代の読者の目に触れるメディアで活字にするのは、ちょっとはばかられるような場合もある。そこで、紙面では言い足りなかったところを補足して講座で説明したりするわけである。
 また、印刷メディアでは、ぼくの考えに対する意見や反論を直接、聴くことはできない。
 北千住の仲間たちは、それぞれ、その道の論客だから、ぼくが提起した問題に対して、即座に反応することができる。といっても、一人ひとりに話してもらうには、時間が足りないから、毎回、講座の最後に、課題として、各個人の意見を書いてもらっている。というわけで、北千住の仲間たちの間では、双方向の意見交換ができる。
 というわけで、前週、前々週に、このページで取り上げた「中学校チームの登録問題」も、北千住の仲間の話題にした。

登録費をとるな
 前回取り上げた「中学校チームの登録問題」の焦点はこうである。
 地域によっては、中学校チームは日本サッカー協会に加盟しない。チーム登録費も、個人登録費も払わない。しかし、中学校体育連盟(中体連)には加盟していて、市や県の中学校大会に参加する。全国大会に出場するレベルになってはじめて、日本サッカー協会への登録をする。そういうことが黙認されている、という話である。
 これに対する、ある北千住の仲間の考えは次のようある。
 中学生以下の低年齢層のチームからは登録費をとるべきではない。協会は登録費をとるだけで何の見返りもくれない。地域での試合運営は、地域の人びとが自分たちの手でやっている。日本サッカー協会のお世話にはなっていない。中学校の校庭を使って、指導者や先輩が審判をして試合をする分には、ほとんど経費はかからない。協会は徴収した登録費を「選手強化」に使うのだろうが、選手強化費を子どもたちに負担させるのはおかしい。と、こういう考えである。
 別の意見もあった。これは「中体連を解散しろ」という過激な考えである。形だけになりつつある「学校教育としての部活」に、こだわることはない。中学生のスポーツ活動は全部、地域のクラブですればいい。サッカーはすべて日本サッカー協会のもとでやることにする。協会は登録料をとるのなら、地域の試合の面倒も全部見るべきだ…という意見だが現実的ではないかもしれない。

地方分権の勧め
 登録費には、二つの性格がある。
 一つは、仲間たちが集まって試合をするために、その運営費を出しあおうというものである。グラウンドの借り賃や審判員の交通費だけではない。集まって相談し、日程や会場を決めたりする。それを各チームに知らせる。それが協会の仕事で、その費用を分担するのが、加盟費あるいは登録費である。
 登録費の、もう一つの性格は、サッカー協会に属していることの「あかし」である。世界のすべてのチームはFIFA(国際サッカー連盟)のもとで、日本の国内では日本サッカー協会のもとで試合をしている。「協会に属していますよ」という証拠として登録費を払うわけである。
 いずれにしても…。
 チーム登録費をいくらとるか、個人登録費をとるかどうかは、それぞれの地方で決めてはどうか?
 加盟費、登録費は、日本サッカー協会が徴収するのではなく、町や市の単位で考えればいい。町や市のなかで試合をするのに経費がかかるなら、その実費を加盟費にすればいい。県の大会に出るのなら、その運営費は県協会で徴収すればいい。
 日本サッカー協会の傘下にあることの象徴としての個人登録費は、中学生には必要ない。県協会が登録チーム一覧表を日本サッカー協会に送ればそれですむ。
 要するに、いま日本サッカー協会で持っている権限を、地方の協会に譲ってしまえという考えである。 
 「中央集権から地方分権へ」という小泉首相と同じ考えだが、どうだろうか?


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