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サッカーマガジン 2002年3月20日号
ビバ!サッカー

ワールドカップの本を作ろう
ビバ講座仲間の大胆な?試み

 ワールドカップの歴史を眺める連載を、前号はマガジン社の池田恒雄会長の追悼を書かせていただくために中断した。2週連続で申し訳ないが、今号も続けて連載を延期させていただく。というのは、わがビバ!サッカーの仲間の大胆な試みをタイミングよく紹介したいからである。

北千住の講座で
 伝統を誇るわがビバ!サッカーのページの熱心な読者が、東京・北千住の読売・日本テレビ文化センターに月に2回、土曜日の夜に集まって講座を開いている。半年が1期ですでに3期目が終わろうとしている。この講座については、すでに何度かこのページでも紹介した。
 さて、4月から4期目が新たにスタートするのだが、新学期には「ワールドカップの本」を作ろうと計画している。
 学期中の6月に日韓共催のFIFAワールドカップ2002が開かれる。そのため、次期は6月をお休みにして、いつもは1期に11回やるところを10回にしている。そのお休みの期間に、じっくりワールドカップを楽しんでもらって、大会が終わったらただちに、本にまとめて出版しようという考えである。
 もともと、この「ビバ!サッカー講座」は「スポーツ・ジャーナリスト養成講座をやりませんか」という主催者側の依頼でスタートした。だから最初は文章の書き方などからはじめたのだが、なにしろ先生の教え方がうまいのか、優秀な受講生ばかりが集まったのか、たちまちにしてみな、分かりやすく筋道の通った日本語を書くようになった。
 「文章講座は、まあ、いいや。サッカーの話を多くしよう」というわけで、みんなで、わいわいがやがや、サッカーの情報を交換し、知識を深めあって楽しんでいる。
 そのノウハウを生かして「ワールドカップ2002の本」をまとめようというわけである。

事前号は執筆完了!
 実は3月で終了する現在の学期の受講者たちは、すでに1冊、本を書き上げている。これが非常におもしろい。これまでにたくさん出た、そしてこれから雲のように出版されるであろうワールドカップのもろもろの本のなかに、これほどユニークなものがあるとは思えない。
 たとえば、ワールドカップの「イケメン選考」がある。
 「いよいよワールドカップが日本にやってくる。ということは? そうなんです!! 世界中のいい男たちが日本にやってくるってことなんです」。というわけで、各国から男前の選手をリストアップし『イケメンMVP』を選んでいる。「イケメン」とはイケてる男、つまりかっこいい男の子のことらしい。そんな言葉があることを今回、はじめて知った。もちろん、この原稿の筆者たち(複数である)は女性である。イケてない男性のわれわれとしては、多少、心おだやかでないところもあるが、発想も原稿もおもしろい。
 『イケメンMVP』は誰かって? それは、本が出版されたら買って読んでもらいたい。
 「ライバル韓国へ行こう!」という韓国での観戦マニュアルもある。韓国内の電車賃まで調べてある。
 「W杯主審第1号、高田静夫さんに聞く」という、まじめなインタビューもある。
 「語り尽くし!中村俊輔」という思いのたけをつづった文章もある。これも筆者は女性である。
 要するに「ワールドカップ、なんでもあり」の本である。

出版社を求む! 
 ところで、原稿は全部そろって、ワープロで統一してデジタル化されているのだが、いまのところ「出版社が決まった」という報告を受けていない。どこか、出版を引き受けてくれるところはないだろうか?
 ぼくは、講座の講師ということになっているが、本を作ることについては何も指導はしていない。みなで、わいわいがやがやと勝手に書いて、勝手にまとめたものである。
 非常にユニークだと思ったのは、本を作るときの方針として、先に構成や目次を決めずに、それぞれが勝手にテーマを決めて書いたものを持ち寄り、そのあとで構成や目次を考えたことである。それでも、ちゃんとまとまるからおもしろい。 
 本の題名もまだ決まっていない。ぼくが「ファンが書いた――ワールドカップなんでもあり!」を提案したが、みなさん、賛成できないといった顔つきだった。実は「ファンが書いた」というところが、あまり適当でない。筆者たちは、ファンでもあるが同時に専門家でもある。それぞれが関心を持っている部門に関しては、ぼくなんかよりずっと詳しい知識をもっている。 
 こういうように受講者仲間で本ができつつあるので、ワールドカップの本番については、次期の講座のテーマとして本づくりをしようと思い立ったわけである。 
 新学期の仲間はただいま募集中。早いもの勝ち。 
 申し込みと問い合わせは、読売・日本テレビ文化センター北千住。


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