アーカイブス・ヘッダー

 

   
サッカーマガジン 2001年12月12日号
ビバ!サッカー

W杯への多彩なアプローチ
シンポや研究会が花盛り!

 2002年ワールドカップをめぐって、いろいろなシンポジウムや研究会が各地で開かれている。日韓関係の将来を論ずるもの、日本代表の成績を占うもの、運営へのボランティアの参加の意味を問うものなど。いろいろな角度から大会を考えてみるのは、おおいに結構だ。

日韓関係の今後は?
 寒い冬にむかって「花盛り」というのは奇妙かもしれないが、ワールドカップをめぐるシンポジウムや研究会は花盛りというほかはないほどの盛況である。新聞社が主催するもの、大学の先生方が開くもの、一般のサッカーファンや関係者が集まるものなど多種多様だ。
 ぼくの住んでいる兵庫県でも、いろいろ開かれている。その一つ、11月3日に神戸国際会議場で開かれたシンポジウムには、ぼくもパネリストとして参加した。かつて勤めていた新聞社が主催した縁である。
 「W杯が開く日韓新時代」というテーマたった。ワールドカップを共催することで、とかく、ぎくしゃくしがちな日本と韓国の関係がよくなるだろうか、という趣旨だろう。
 ぼくの考えは、こうである。
 サッカーの大会を共催したからといって、日韓の関係が一挙に好転することはないだろう。これは長い時間をかけて、いろいろな試みを通じて取り組まなければならない問題である。ワールドカップ共催は、そのいろいろな試みの一つである。
 日韓共催の意義がいろいろあるなかで次のことを強調したい。 
 それは、世界の人びとが注目するワールドカップは日韓が共同で「両国についての情報」を世界へ向けて発信する大きな機会だということである。 
 欧州の人たちは、日本と韓国は似たような国だと思っているかもしれない。そうであれば両国がそれぞれ独自のすぐれた文化を持っていることを、この機会にPRするといい。

日本代表の可能性
 神戸のシンポジウムのとき、日韓関係の将来のほかに「日韓のチームはベスト16に残ることができるだろうか」が話題になった。
 そのために、テーマが二つに割れて、ちょっと、まとまりの悪い結果になったのだが、これは司会の宮崎緑さんの責任ではないようだった。主催の新聞社の担当者が「成績予想も入れてくれ」と注文をつけたらしい。新聞の読者は、日本代表チームの成績の話に興味をもつだろうという思い込みでの注文だったようだ。
 日韓関係といっしょに取り上げるのには無理があったように思うが、代表チームの成績を占うのも、もちろん興味あるテーマである。
 ぼくは次のような予想を述べた。
 「日本がベスト16に進出する可能性は十分ある。強敵ぞろいだが、組み合わせに恵まれることを期待できるし地元の利がある。それに優勝候補は準決勝あたりにピークを持っていくように調整してくるが、日本は1次リーグを目標に調整するだろう。したがって、初戦で強豪を相手に番狂わせを起こすことも、おおいにありうる」
 同じ理屈は韓国代表チームにも当てはまるのだが、韓国は決勝卜−ナメントに進出するのに、日本よりも苦労するとぼくは見ている。ワールドカップ出場に関して、アジアでは日本よりも先輩だが、実績があるだけに従来のやり方にこだわって、チームの現代化が遅れたからである。
 とはいえ、勝負はどう転ぶかわからない。日本にも韓国にも可能性は十分あると思う。

12月にも各地で
 12月には、ぼくが関係している催しが3つある。
 まず、12月8日に東京の明治大学リバティタワーで「スポーツとマスコミ・シンポジウム」があり、ぼくが問題提起を担当する。メディア総合研究所が主催である。
 12月15日には兵庫県サッカー協会主催のスポーツ・クラブ・セミナーが神戸の県立生活創造センターである。筑波大学付属高校の先生である中塚義実さんを招いての集まりである。中塚さんは「サロン2002」というネットワークを主宰して幅広く活動している方である。ぼくは、2002年以後をにらんでの論議を期待している。
 もうひとつ、ぼく自身が発起して12月22日に東京の早稲田大学教育学部の施設を借りてシンポジウムを計画している。これは北千住の読売・日本テレビ文化センターで開いている「ビバ!サッカー講座」の仲間たちと、関西の大学の仲間で作っている「日韓メディア・スポーツ研究会」の共同企画である。「ワールドカップと日韓のメディア」の研究会だが、サッカーが好きな仲間が大学のサッカー好きの研究者とともに、わいわいがやがやと語り合おうと思っている。
 このほかにも、各地でいろいろな企画が続いている。多くの人が真剣にワールドカップと日本のスポーツの未来を考えるのは、非常に有益で意義がある。
 ワールドカップを盛り上げるためだけの催しではなく、きびしい批判や提言が出てきたほうがいい。


前の記事へ戻る
アーカイブス目次へ

コピーライツ