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◆ビバ!スポーツ時評

サッカー日誌 2007

◆シーズン序盤戦の戦い方◆
 鹿島アントラーズ 0−1 ガンバ大阪
 (2007年3月11日・カシマ・スタジアム)

 
★これが「序盤のスタイル」
 「これが、序盤のスタイルかな、と思います」
 ガンバ大阪の西野朗監督が、鹿島アントラーズに辛勝したあとの記者会見の最初に、こう話した。
 「序盤のスタイルって何ですか?」と記者のほうから質問が出た。「かっこつけて分かり難く話すなよ」という感じである。
 「シーズンのはじめは、攻撃のほうはコンビネーションがまだ、できていない。試合を重ねながら作っていかなければならない。だから守りをしっかり固めることからはじめるという意味です」。そういう説明だった。これなら話は分かる。
 前半のシュート数は8対2で、相手の鹿島アントラースのほうが圧倒していた。それをしのいで前半を0で抑えた。
 その苦戦の説明が「序盤のスタイル」だった。
 
★アントラーズはコンビ未熟
 とはいえ、この日の出場した全員が昨年からガンバ所属である。レギュラーでなかったのは19歳の安田理大だけ。コンビ未熟というチーム構成ではない。
 シーズンはじめでチームが未熟だったのは、むしろ相手のアントラーズのほうだった。
 オズワルド・オリヴェイラ監督は「外国人選手が日本になじむのには、時間がかかる。プレーにフィットするのも難しいし、生活にも慣れなければならないから」と言い訳した。
 外国人選手3人のうち、2人はブラジルのサンパウロからの新加入である。マルキーニョスは、日本へ来て7年目だが、清水からの移籍新加入である。日本人も若手が多い。新チームが熟成するには時間がかかりそうである。
 新外人のダニーロは、もともとは攻撃的中盤プレーヤーだったはずだが、この日は2トップの一角だった。一人でドリブルで切り込もうと試みては、きびしいマークを押しのけようとして反則をとられていた。
 
★ガンバに貴重な2連勝
 鹿島のもう一人の新外人ファボンは、前半26分に「乱暴な行為」で一発退場になった。クラブ・ワールドカップで世界一になったこともある強力ディフェンダーだが、日本のサッカーに、まだフィットしていないようだ。
 ファボンの退場の前に、ガンバの若手の安田も2枚のイエローカードで退場になっていた。そのため、大半の時間は10人対10人だった。審判も、シーズンはじめで試合にフィットしていないのかもしれない。
 ガンバは、後半から家長昭博を出した。後半21分にマグノアウベスが攻め込み、家長とのコンビでチャンスを作って決勝点をあげた。
 優勝を狙うチームは、長いシーズンを見通してコンディション作りをしなければならない。そのため、序盤戦ではチームが仕上がっていないこともある。その序盤戦2試合をなんとか切り抜けたのは、ガンバにとって貴重だった。

 

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