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◆ビバ!スポーツ時評

サッカー日誌 2007

◆Jリーグ開幕、柏レイソルが飛び出す予感◆
 柏レイソル 4−0 ジュビロ磐田
 (2007年3月4日・日立柏サッカー場)
 

★レイソル通りの雰囲気がいい
 Jリーグ開幕2日目は日立柏スタジアムに出かけた。「レイソルのサポーターは熱気があるよ」と友人が見に行くように勧めてくれたからである。
 JR常磐線の柏駅東口で降りる。東口を出て、駅前通から右斜めに入る小道を道なりに歩いて約20分である。「レイソル通り」と名がついている。両側の商店からは黄色いレイソルの旗が突き出している。サポーターが楽しげに急ぐ。サッカー場は駅からちょっと歩くくらいの距離がいい。
 欧州の町でサッカー場に行くときの雰囲気に似ているが、殺気立っていないのがいい。まろやかな熱気である。
 スタンドは黄色で埋まっている。1万5千人収容。入場券はたちまち売り切れたという。
  簡素なスタジアムで設備は古い。しかし、陸上競技のトラックがないからサッカーは見やすい。スタンドの熱気が競技場いっぱいにあふれている。
 前日に行った横浜の日産スタジアムとは対照的な雰囲気だった。

★蔵川洋平のがんばりに驚嘆
 レイソルの試合ぶりは「ひょっとしたら開幕ダッシュで突っ走るかも」と思わせるものがあった。
 ジュビロ磐田に4対0で勝ったからではない。チームが攻め手をいくつか持っているのがいい。
 一つは、ブラジル人3人を攻めに集約したのが利いている。3年目のフランサがトップ。新加入のマルシオ・アラウージョがトップ下。アルセウは中盤の守備的な位置だが攻めにも出る。アラウージョは、もともとはボランチの選手だということだが、攻撃的なポジションに置いて、ここからのパスがチャンスを作り出していた。
 もう一つの攻め手は右サイドである。守備ラインに蔵川洋平、前線に鈴木達也がいる。右サイドへ出たパスがつながるとチャンスになる。29歳の蔵川が守備でがんばり、足技で攻め込んで3点目のきっかけを作ったのに感心した。

★J2の経験は生きている
 4得点の大勝は必ずしも好材料ではない。相手の磐田はゴールキーパーの川口能活がケガで欠場していた。また、前半にリードされたから後半には反撃に出なくてはならなかった。そういう状況のもとでの後半の3得点だから、得点差は実力の反映とはいえない。
 大勝のもう一つの要因は、労働量の多いプレス・ディフェンスにあった。初戦の4得点に自信を持ち過ぎて、第2戦から気がゆるんで、がむしゃらながんばりが姿を消す心配もある。それにシーズンは長いから労働量だけでは持ちこたえられない。
 とはいえ、柏レイソルはサポーターの雰囲気も、チームの試合ぶりもいい。シーズンの前半に上位陣にからむ可能性は十分ある。
 この日、2得点を決めた菅沼実は、愛媛FCから戻ってきた選手だ。蔵川はFCホリコシからの移籍である。J2での経験は生きている。

 

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