◆「技能賞」はイビチャ・オシムに2年連続◆
〜ビバ!サッカー恒例の年間表彰決定 (4)〜
★前年も技能賞、ジェフの監督として
ビバ!サッカー恒例の年間表彰の「技能賞」は、日本代表監督に就任したイビチャ・オシムに授与することにした。2年連続である。
前年の2005年度にはジェフ・ユナイテッドの監督として「技能賞」に選んでいる。恵まれない環境のなか、手薄な陣容でチームを上位に引き上げ、ナビスコカップに優勝した。その独特のトレーニングと選手育成法が話題になった。それを記録に残したかったからである。
ジェフは2006年度にはナビスコカップに2年連続優勝した。運が大きな要素を占めるカップ戦で連覇するのは珍しい。それだけでも、今回の選考の対象になり得る。
ただし、ナビスコ杯連覇のときは、ジェフの監督の座は息子に譲っていた。
今回の2度目の技能賞は、日本代表の監督になってからを対象にしている。
★協会を手玉に取る
ドイツのワールドカップで日本が敗退すると日本サッカー協会は、日本代表チームの監督の後任にイビチャ・オシムを選んだ。
これは、ぼくの予想通りである。
ぼくは、ワールドカップ前、東大五月祭のシンポジウムのとき、すでに「オシムが適任」と予想している。
しかし、代表監督を引き受けたあとの、日本サッカー協会に対するオシム監督の対応は、ぼくの想像を越えていた。
オシム・ジャパン第1戦のメンバー発表の記者会見(8月14日)でオシム新監督が発表した顔ぶれは、たったの13人。これは協会の不見識な代表チーム日程への抗議だった。このことは、このホームページでも紹介している。
★メディアも手玉に取る
オシム監督は、マスメディアをうまく利用している。
試合後の記者会見は、これまでは、監督がまず説明してから質問を受ける方式だった。それを、記者のほうが先に質問する形に変えた。
記者のほうは、しっかり試合内容を理解していないと質問できない。見方によっては、記者のサッカー理解度を試すような、意地悪い変更である。
しかし、それによって記者たちも勉強になった。しかもオシム監督は、結局は記者会見を誘導して自分の言いたいことを言っている。メディア操縦も老練である。
というしだいで、協会とメディアを巧みに操るテクニックに「技能賞」を贈る。
つまり、この「技能賞」はサッカーの技能に対してではない。代表チームの監督としての技能は、今後の成績によって、2007年末以降に評価することになる。
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