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◆ビバ!スポーツ時評

サッカー日誌  2006年12月29日(金)

◆天皇杯準決勝、浦和のメンタルな強さ◆
(12月29日、浦和レッズ 2対1 鹿島アントラーズ)


★ブッフバルト監督の自慢
 「われわれのチームの良さは、メンタルな強さだ」
 浦和レッズのブッフバルト監督は、国立競技場で行われた天皇杯準決勝のあとの記者会見で、自信たっぷりに、こう自慢した。
 「練習を見に来た人には分かるだろう。選手たちは練習で燃えている。試合に出るために競い合い、しかもチームのために責任感を持って喜んで練習している」
 6日前の準々決勝のときは、闘莉王、ネネ、三都主、ワシントンがいなかった。ネネは負傷、ブラジル出身者は国へ帰り、三都主は移籍先に決まったザルツブルグに行っていた。攻め合いのすえ3対3の引き分け。PK戦で進出した。
 この日の準決勝では、ネネは戻ったが、坪井、長谷部が出られなかった。坪井はケガ、長谷部は警告累積で出場停止だった。それでも鹿島に2対1で競り勝った。

★意思の強さと団結心
 「リーグ優勝のレギュラーの半数がいなくても勝てたのはなぜか」という質問への答えが「メンタルな強さ」だった。
 この答えには、二つの意味が含まれている。
 一つは、控えの選手が競い合って伸びてきていることである。
 この日は、右のストッパーに起用された20歳の細貝萌の守りが目立った。ブッフバルト監督は、その細貝を例に引いて、控えに回っていた選手たちの「意思の強さ」を指摘した。くじけないで出番をかち取ろうと練習でがんばっていたという。
 「メンタルな強さ」のもう一つの意味は「団結心」である。「チームは運命共同体という意識を、みなが持っている」とチームワークのよさを強調した。スターでありながら先発から外れていた小野伸二が、この日は中心になって活躍したのも、その現れだろう。

★ アウトゥオリ監督はフロントに不満
 鹿島アントラーズのアウトゥオリ監督も「メンタルな強さ」が重要であることを強調したが、それを持つチームを作るには、どうしなければならないかに言葉を費やした。
 アウトゥオリ監督によれば、まずチーム内で競い合うきびしさが必要である。そしてトレ―ドを活発にして、闘争心を持った選手を加え、闘争心の乏しい選手はチームの看板だったスター選手であっても出す決断が必要だという。
 「移籍についての日本の規則を、世界のほかの国に合わせて変えなければならない」とも話した。来季のチーム編成についての自分の意見を、移籍規則をたてにフロントがいれてくれなかったらしい。それが不満で辞めることになった。
 2人の監督はともに今季限りで去る。一人は自分の仕事に満足して、一人はフロントに不満を残して……。

 

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