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◆ビバ!スポーツ時評

サッカー日誌  2006年12月19日(火)

FIFA Club World Cup Japan 2006
◆肩に力が入ったアルアハリ◆
(12月13日、インテルナシオナル 2−1 アルアハリ)


★準決勝は挑戦のチャンス
 クラブ・ワールドカップでは、参加6チームのうち欧州と南米が別格扱いで、1回戦は他の4地域の代表の争いである。それに勝った2チームが欧州と南米の代表と当たる。つまり準決勝は格下の地域のチームが格上の地域のチームに挑戦するチャンスである。
 アフリカ代表のアルアハリは、準決勝で南米のチームと当たることになって「番狂わせを起こそう」と肩に力が入っていたようだった。
 相手のインテルナシオナルは、ポルトアレグレの名門クラブである。しかし、ブラジルのトップスターたちは、ほとんど欧州のクラブに流出している。警戒しながらも、王国ブラジルに、かってほどの力はないだろうと考えたかもしれない。
 マヌエル・ジョゼ監督によれば、5人の守備ラインで守りを固めて逆襲を狙う作戦だったらしい。しかし、時として攻めにはやって、中盤にスペースがあくことがあった。
 
★王国ブラジルは健在
 インテルナシオナルは、かって欧州でプレーしたことのあるフェルナンドンが、前線右サイドからしばしば中盤に下がって攻めの起点になった。
 前半23分の先制点は、フェルナンドンの精度の高いパスがきっかけで生まれた。
 トップに出ている17歳のアレシャンドレに、正面後方から低く速いパスを出した。アレシャンドレが相手のディフェンダーともつれて、ボールが後ろにこぼれた。それをアレックスが相手ともつれながら再びアレシャンドレに出してシュートが決まった。
 アレシャンドレは2度目にボールをとったとき、オフサイドの位置にいるように見えた。そうだったのなら、反則をとってもらえなかったのはアルアハリに気の毒だった。しかし、フェルナンドンのパスの見事さ、相手にしっかりマークされている味方にあえてパスを出す攻め、その競り合いに負けない個人の強さ、王国ブラジルのサッカーは、まだまだ健在だった。

★ユース上がりの2人が得点
 後半9分にアルアハリが、コーナーキックのチャンスを生かして同点に追いつき、試合は面白くなった。
 しかし、後半27分にインテルナシオナルが決勝点。得点は19歳のルイス・アドリアーノだった。
 2得点はともに、ユースから引き上げられたばかりの若手があげた。
 アルアハリは、敗れはしたが互角の戦いをした。ボールの支配率はほぼ互角。ゴールの枠内にとんだシュート数もほぼ互角だった。チーム力の差はそれほど大きくはない。
 しかし、クラブのサッカーを支えている国の底力の違いは大きい。
 欧州では、それほど活躍できなかったフェルナンドンが、ブラジルに戻れば息を吹き返す。多数のスターが欧州に出て行っても、次から次へと子どもたちが伸びてくる。ブラジルの土壌には、サッカーを育てる肥料が含まれているようだ。

 

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