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◆ビバ!スポーツ時評

サッカー日誌  2006年12月14日(木)

FIFA Club World Cup Japan 2006
◆サッカーのお家柄と外人選手◆
(12月11日、クラブ・アメリカ 1−0 全北現代 )


★クラブにもお国柄
 代表チームによるワールドカップを見れば、よく分かるように、それぞれの国に、それぞれ独特のサッカーのスタイルがある。いわば「サッカーのお国柄」である。
 クラブチームにも、それがある。クラブの場合は「お家柄」というべきだろうが、そのお家柄は、国のスタイル、あるいは民族のスタイルが基礎になっている。
 クラブ・ワールドカップの1回戦、クラブ・アメリカと全北現代モーターズの対戦にも、それが表れていた。
 クラブ・アメリカは、メキシコのチームらしく、こまかな足技の技巧が好きな選手がそろっていたが、チームとしては荒削りなところがある。
 優勢にボールを支配し、機をみて速攻をしかける。ヒールやアウトサイドを使ったワンタッチ・パスをつないで攻め込む。しかし、ときどき、中盤で不用意なミスをする。

★外人選手の使い方 
 全北現代は、韓国のチームらしく忠実によく動き、きびしく守る。前半ほとんど守勢だったが、0対0でもちこたえた。
 代表チームと違うところは、クラブチームには外国人選手が加わっていることである。
 全北現代には、ブラジル選手が2人いた。先発したゼカルロと、前半29分に交代出場したボティで、ともに前線のストライカーだ。
 後半、この2人はもっぱら逆襲用に使われた。クラブ・アメリカの選手が不用意なミスをするのを中盤で奪うと、すぐ前線のスペースへ出す。ブラジル人の選手が、すばやく走り出て、ドリブルでまっしぐらにゴールを目指す。
  韓国選手の中盤での忠実な守りと、ブラジル選手の機敏でスピードのあるドリブルを結びつける狙いである。

★ラインを上げた守り
 全北現代は、この逆襲速攻策で、なんどかクラブ・アメリカを脅かした。
 そういう場面が生まれたのは、クラブ・アメリカが4人の守備ラインを上げて守り、その裏側に広いスペースが空いていたためである。
 クラブ・アメリカは後半34分にやっと、1点を挙げたが、その後も、このラインを上げる守りを変えなかった。フェルナンド・テナ監督は「リードを守ろうと下ると、空中戦を仕掛けられるおそれがあると思ったから」と説明した。全北現代のゼカルロは身長1b85、イム・ユファンは1b84。下から攻めさせたほうが、上から攻められるよりも守りやすいと読んだらしい。
 最後の10分間、全北現代が総反撃に出ると、クラブ・アメリカは、その裏側をついて攻め込んだ。フリーになってのシュートを何本も放ったが、追加点にはならなかった。
 「決定力不足」は、日本だけの話ではないらしい。

 

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