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◆ビバ!スポーツ時評

サッカー日誌  2006年12月13日(水)

FIFA Club World Cup Japan 2006
◆さわやかなオークランド◆

(12月10日、アルアハリ 2−0 オークランド)


★クラブ・ワールドカップの意義は?
「トヨタ・プレゼンツ、FIFAクラブ・ワールドカップ・ジャパン2006」が、12月10日に、はじまった。開幕試合の会場は、スポンサーに敬意を表して愛知県の豊田市である。
 カードは「アハリ」(エジプト)対「オークランド・シティ」(ニュージーランド)。日本になじみの薄いチームの対戦で「お客さんが来るかなぁ」と案じていたら、やはり立派なドーム・スタジアムの半分ほどは、がらがらだった(発表は29,912人)。
 FIFA(国際サッカー連盟)の公式選手権だから、世界各地域の代表を参加させなければならない。オセアニアやアフリカのチームの対戦もある。欧州や南米のレベルも知名度も高いチーム同士の対戦とは違って、お客さんを集めにくい。
 開発途上地域チーム同士の対戦が興行的に盛り上がらないのは仕方がないにしても、スポーツ的には、なにか意味を見つけたいものだと、東京から見に行った。

★真剣勝負を楽しめた。
 1回戦(準々決勝)は、欧州と南米への挑戦権を、他の4地域の代表が真剣に争う場である。オセアニア代表にも、アフリカ代表にも、その真剣さがうかがえた。
 オークランド・シティは、4人のディフェンスラインのほかに、アハリのストライカーのアプートリカに専任のマーク(クームス)をつけた。アプートリカの行くところに、どこまでもついていく。最近のサッカーでは珍しい徹底的マンマークである。
 これを見て「オークランドは、ちゃんと相手を研究して来ているな」と分かった。個人としては、アルアハリの選手のほうが、技術的にも体力的にも上である。それを忠実な守りと作戦でカバーし、逆襲ではスペースへ次つぎに走りこんで、対抗しようとしていた。
アハリは、前年に続いての出場である。「今度は勝ち星をあげなければ」という意気込みが感じられた。双方の真剣な戦いぶりが、すがすがしかった。
 
★岩本の臨時補強には疑問
 後半6分に、アルアハリが先取点をあげた。オークランドのディフェンダーが、ケガでフィールドを離れている間の一瞬のスキで、ちょっと不運だった。
 後半23分に2点目。ゴール正面、20bあまりのフリーキックを、アプートリカが叩き込んだ。専任のマークで付きまとっていても、フリーキックでは9b15離れるしかない。オークランドは前半のうちからペナルティエリア周辺での反則が多くなってきていたので、後半に、これで1点はとられるだろうな、と予測していたら、その通りになった。
 オークランドの岩本輝雄は、0対1になったあとに交代で登場した。プレーぶりは悪くなかった。しかし、こういう興行的な臨時補強は、これから伸びていこうとしているオークランドのさわやかな努力に水を差すようなものではないだろうか。岩本が、オークランドにもともと所属しており、今後もプレーを続けるのなら話は別だけれども…。

 

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