◆シャツを引っ張る守りでは・・・◆
(12月6日、日本U 21 1−2 北朝鮮)
★ドーハ・アジア大会で敗退
中東カタールのドーハで開かれたアジア競技大会で、若手の男子代表が1次リーグ3試合目で朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に敗れ、準々決勝進出を逃した。
12月6日深夜からTBSの中継で見ていたのだが、試合の結果や内容よりも、点の取られ方が気になった。
立ち上がり4分に、いきなり北朝鮮が先制、日本はすぐ追いついたが、後半18分に北朝鮮が勝ち越して、そのまま2対1で終わった。
北朝鮮の得点はともに、ペナルティエリアすぐ外からのフリーキックである。2点とも守りの壁を巻いて、ゴール上隅ぎりぎりに、ぴしゃりと決まった。みごとなキックでゴールキーパーには、とても取れそうになかった。
これは北朝鮮の2人のキッカーの技術に脱帽するほかはない。
★衣類をつかむ反則
問題なのは、フリーキックのもとになった反則である。
前半4分の1点目のときは、こうだった。
北朝鮮の前線プレーヤーが、逆襲速攻で走りこむ。日本のディフェンダーが追いかけ、並んで走りながら競りかけたが、守りきれない。ペナルティエリアのすぐ外で、北朝鮮の選手が転び、反則の笛が鳴った。
すぐその後に画面に出たスローのビデオには、日本のディフェンダーが相手のパンツをつかんでいるのが、はっきりとらえられていた。
スピードで負けそうになったのを、シャツあるいはパンツをつかんで止める。そういう守りを、21歳以下の若い選手が当然のようにしているのにがっかりした。ふだん、国内の試合で、やりなれていることなのだろうか?
★反則で守っていては伸びない
若い選手らしく、正当なタックルでチャレンジしてみてもらいたい。
それでは、あるいは抜かれてしまうかもしれない。しかし、失敗したら「スピードとテクニックのある相手に対抗するには、どうしたらいいか?」と考えるだろう。失敗を繰り返さないように、くふうすることによって、選手は伸びていく。それが「経験」である。
本来は23歳未満で出られる大会に、あえて21歳未満のチームで出場したのは、若い選手に国際試合の経験を積ませるためだったのではないか?
反則で守る経験ばかり積み重ねていては、選手の技術や戦術能力は伸びない。
反則でしか守れないような選手は、次の試合には起用しないくらいに、きびしく対処して欲しい。逆に果敢にチャレンジして失敗した選手は、次ぎに期待して使い続くけてみたらいい。
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