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◆ビバ!スポーツ時評

サッカー日誌  2006年12月6日(水)

◆埼スタ名物レッズ・バー◆
(12月2日、浦和レッズが初優勝)


★試合後の交流の場
 Jリーグで初優勝した浦和レッズの本拠地、埼玉スタジアムに After Game Reds Bar がある。スタジアムの敷地内、南側の広場に屋台が並び、大きなパラソルと机、椅子が置いてある。試合のあとに観客が、ゆっくりと飲み食いできる。
 グループ別に応援した人たちが、くつろいで、喜んだり、悔しがったりして交流する。なかなか楽しそうである。
 試合の前には、同じ場所を「カフェ & フードコート」と呼んでいるそうだ。違いは、試合後にはアルコール飲料が買えることだろう。
 ヨーロッパでは、試合の前後にビールを飲んでいるファンをよく見るが、埼スタのレッズ・バーはドイツより、すすんでいる。飲むのは試合後というのがいい。それに、ビールだけでなく、焼酎のお湯割りもある。
 
★交通混雑緩和の役割
 この試合後の楽しみの場は、交通混雑緩和の役を果たしている。
 埼玉スタジアムは、すばらしいサッカー専用競技場である。世界一と言ってもいい.。
 しかし、残念なことに、もともと広大な畑のど真ん中で交通の便が悪い。
 県内を縦貫しているJR京浜東北線の浦和と東浦和、東武伊勢崎線の北越谷の駅から臨時バスが出るが、道路は渋滞するし、6万3千7百人収容のスタンドにお客さんを運ぶには輸送量が限られている。
 東京都心からの地下鉄の終点、浦和美園駅までは歩いて約20分である。試合後にこれくらい歩くのは、人びとを分散させるために、ちょうどいい。しかし、大量輸送手段は、この地下鉄1本なので、帰りのプラットフォームは殺人的混雑になる。
 レッズ・バーで歓談するのは、人びとの帰り時間を分散させるのに役立つ。
 
★運営面に大胆な努力
 「試合後に一杯飲んで、交流するのもサッカーの楽しみの一つ」というのは、ずっと昔からの、ぼくの意見だった。2002年のワールドカップ日本開催のときには「混雑緩和には帰りに一杯飲める場所を」と主張した。しかし、フーリガンの騒ぎを警戒する律儀な日本の警察当局の統制力には、とうてい敵し難かった。
 埼スタでも、いろいろ事情はあっただろう。しかし2005年度のシーズンから、レッズバーがはじまって、試合後のスタジアム周辺の雰囲気は、ぐっとやわらいだ。
 浦和レッズは、12月2日の最終戦でガンバ大阪を破った。念願のJリーグ初優勝である。
 優勝とレッズ・バーに直接の関係はない。しかし、浦和はチーム強化だけでなく、運営面でも、いろいろなくふうを大胆に実行している。レッズ・バーは、その一つの例である。そういうクラブが報われたのはよかった、と喜んでいる。

 

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