スポーツ時評・目次
HOME

 

 


◆ビバ!スポーツ時評

サッカー日誌  2006年11月23日(木)

◆もっと、もっとドリブルを◆
(11月21日、U‐21日本 1ー1 U‐21韓国)


★「がむしゃらさ」が欲しい
 「どんどんドリブルして突っかけたらいいのに・・・」
  日中韓 U‐21代表交流戦の日本対韓国(国立競技場)の試合を見ていて、ちょっとガッカリした。試合振りは悪くない。日本選手たちの戦術能力は高い。パスをすばやく、つないで巧く攻める。でも若い選手らしい「がむしゃらさ」が見えない。
  ボールをとったとき、自分の前にスペースが空いていても、ドリブルしないで、すぐパスを出す。パスを受ける味方が、いい場所に走ってくれるし、パスを出すほうも、その味方がよく見えている。試合後の記者会見で、韓国の、ビム・ファーベク監督が、日本の若い選手は「tactically very well 」(戦術的には非常にうまい)と誉めたのは、そのためだろう。しかし、巧く攻めていた前半に得点できず、逆に韓国に先取点を許した。どんどんドリブルで突っかけて、相手を引き寄せる強引さが欲しいな、と思った。
 
★前が空いていてもパス
  韓国は前半、日本のトップにいる平山相太を警戒して、守りの関心が中央に集中していた。そのために、日本のサイドの選手が比較的のびのびとプレーすることができた。右の水野晃樹から、なんどもいいクロスが出た。しかしゴールに結びつかない。そこで「決定力不足」という決り文句の批評が出てくるのだが、相手は中央を警戒して守っているのだから、そう簡単に、いいシュートは打てない。
  韓国は前半、サイドから攻められたので、後半には4人の守備ラインが、サイドのほうを警戒するようになった。そのために守備ラインの間隔が開いて中央が危険になる。そこで、中盤の選手が引きぎみになって、正面を警戒した。
  そうすると、日本の守備ラインや中盤の選手がボールをとったとき、前のほうにスペースがあく。しかし、やはりドリブルしないでパスをつなごううとする。
 
★「戦術がいい」だけでは
  相手がサイドを抑えようとしてきたら、正面からの攻めを考えなければならない。そのための一つの方法は、正面から強引なドリブルで突っかけて、かき回すことである。
  一人でも抜ければチャンスはひろがる。抜けなくても、相手を引き寄せてからパスすれば味方は楽になる。
  日本は、後半29分に右サイドで水野が2人をかわしてゴール前へ上げ、増田誓志がヘディングで決めて同点とし引き分けた。この場合は、サイドからドリブルで崩したわけだが、同じように、正面からもドリブル突破を試みてはどうかと考えた。
  正面からのドリブルは相手の守りの餌食になる。それはそうだが、勝ち負けが重要なタイトルマッチではない。若い選手が、積極的なドリブルで自己主張をするのを認めてやるようでないと、日本のサッカーは「tactically very well 」で終わるのではないか。

 

Copyright©2004US&Viva!Soccer.net All Rights Reserved