◆ヴェルディのラモス監督成長中◆
東京ヴェルディ1969 1−1 横浜FC
(9月9日、西が丘)
★ヴェルディの前半はよかった
久しぶりの西が丘、久しぶりのヴェルディの試合だった。むかしは、よく通ったものだ。懐かしいねえ。
わざわざJ2を見に行った価値はあった。なかなかの熱戦だった。とくに前半のヴェルディはよかった。
キックオフすぐの4分ごろ、中盤の菅原が奪ったボールをマルクスに出し、それに応じて広山が左サイドを走り抜けて横浜のゴールを脅かした。攻めがはやく、アイデアがいい。ほかにも中盤の選手の進出による組み立てなどで好機がいくつもあった。こういうサッカーをしていて、首位争いに食い込めないのはふしぎだ。
しかし、いつもヴェルディを見ている人の話によると、この日のヴェルディはできがよかったほうらしい。最近の試合では、逆襲狙いで前線に放り込んでくる攻めが多かったという。
★後半は横浜のペース
後半は横浜FCが優勢だった。前半のヴェルディの攻め方を見て、対応策を立てたのだろう。前半と後半では、両チームとも別のチームのようだった。
ただし、得点はともにセットプレーからだった。前半43分のヴェルディの得点は右コーナーキックからゼ・ルイスのヘディング。後半11分の横浜の得点は、後方のフリーキックからアレモンのヘディングである。
ともあれ、ヴェルディは、前半のいい試合ぶりを後半、なぜ続けられなかったのだろうか?
試合後の記者会見でラモス監督は、こう話した。
「向こうが反撃にでてくることは分かっていた。それを20分間、がまんできれば、また、こちらのペースになると思っていた。でも、持ちこたえられなかった」
★流れを読む選手が必要
「なぜ、後半に変わってしまうのか?」という質問に、ラモス監督は「それは、ぼくが教えてもらいたいよ」と答えたが、自分の考えも持っていた。
「危険を読んでゲームの流れをコントロールできる選手がいないんだ」
まったく、その通り。経験とリーダーシップを持つ選手が必要である。
しかし、これは選手を集めるフロントの責任であるとともに、ラモス監督自身の問題でもある。
ラモス監督は試合中、タッチラインぎわで、なにごとか叫び続けだった。監督が指示し続けだったら選手を自分では考えない。リーダーシップを発揮しない。
記者会見でのラモス監督の話は、おおむねよかった。監督としての資質は十分である。ただし、ただいま勉強中、いや、成長中である。
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