◆オシム・サッカーのつまづき?◆
アジアカップ予選
サウジアラビア 1−0 日本
(9月3日、ジッダ )
★日本は、体力的には善戦
アジアカップ予選のアウエーの試合で日本がサウジ・アラビアに敗れた。ジッダの3日午後8時半からの試合を、日本時間4日午前2時半からテレビ東京の生中継で見た。
日本は、体力的には予想以上によくやった。
キックオフ時に気温32度、湿度80%という表示が出ていた。べラボーな蒸し暑さである。
そんな中で、日本の選手たちは、よく走り、よく動いた。テレビの画面のクローズアップで、水を浴びたように汗をかいていたのは、地元のサウジアラビアの選手のほうだった。
Jリーグの試合の翌朝に招集して日本を出発、到着するとすぐ、現地で夜間練習。これで体力がもつかと心配していたが、予想外によくやった。
★守備策はとらなかった
体力(フィジカル・フィットネス)については「オシム監督は選手をよく知っているな」と感心した。常識的には、選手を休ませ、エネルギーを蓄えて試合に臨みたいところである。
戦略については、どうか?
アウエーの試合である。気候と時差の環境は悪い。日程にも余裕がない。予選グループの4チーム中、上位2チームが勝ち残れるという条件を考えれば、ここは「引き分けでもよし」としなければ、ならないところである。
そういうように考えれば、戦略としては守備策が常識である。
しかし、オシム監督は、あくまでも攻撃的に試合をするつもりだったようだ。
後半、闘莉王が守備ラインから前線に進出し、選手交代で鈴木に代えて羽生を出したことに、それが表れている。
★オシム監督の「言い訳」
日本の失点は後半28分だった。羽生の投入はそのあとで、リードされたから反撃に出ようとしたかにみえるが、テレビのベンチレポートでは、その前から、この交代を準備している。また、失点前の2度の交代は、ともに前線のストライカーである。これをみると、勝ちを狙って攻撃的に出ようとしている意図がうかがえる。
攻撃策が失敗したからといって、守備策をとるべきだったと批判するのは「結果論」かもしれない。
しかし「結果より内容」「敗北は最良の教師」というのは、オシム監督の事前あるいは事後の「言い訳」である。アジアカップはタイトルマッチであり、これは勝ち点1をとるべき試合だった。「オシムのことば」に迎合することなく手厳しく批判すべきことも忘れてはならない。
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