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◆ビバ!スポーツ時評

サッカー日誌  2006年9月1日(金)

◆東京オリンピックに反対◆
 2016年大会に立候補するが・・・
(8月30日、JOC選定委員会 )


★東京開催は「いいこと」か?
 東京都が2016年のオリンピックを招致しようと意気込んでいる。立候補する権利をJOC(日本オリンピック委員会)の選定委員会で福岡市と争って33票対22票で勝った。
 とはいえ、実際にIOC(国際オリンピック委員会)に届け出るまでには、まだ、いろいろな手続きが必要だし、立候補したところで、外国の他の都市と争って勝てる望みが濃いわけではない。
 だから、それほど気にする必要はないのだが気懸かりな点もある。
 それは、石原慎太郎・都知事の言動である。東京でオリンピックを開催することが疑いもなく「いいこと」であることを前提にしている。マスコミは、それを安易に肯定して、はしゃいでいる。
 東京にオリンピックが必要かどうかを、基本的に考える必要がある。
 
★コンパクト五輪は非現実的
 オリンピックを開催するために「都市改造」をしようというのなら、本末転倒である。「住みよい町」を作るために都市改造をし、その結果できた施設を利用してスポーツ大会を開催するのが本来だろう。立候補する前に、東京を「住みよい町」にしてもらいたい。
 東京都の開催計画は「コンパクトな施設配置」を売り物にしている。ほとんどの施設を都心から半径10`以内に納めるというのである。
 しかし、オリンピックをコンパクトにしようというのは現実的でない。
 28もある実施競技の施設を、コンパクトにまとめれば、狭い地域に多くの人が集まり、混乱と交通渋滞を引き起こすことになる。
 各競技をスムーズに運営するためには、分散したほうが、やりやすい。
 
★ワールドカップとの違い
 サッカーのワールドカップは、オリンピックとは正反対である。
 ドイツのスタジアムは、ワールドカップのために建設されたわけではない。地域のクラブチームがブンデス・リーガ(全国リーグ)の試合で日常的に使うためのものである。
 ワールドカップで行われるのは、男子サッカー1競技だけである。参加チームは32に過ぎない。試合はドイツの12都市に分散して行われた。分散開催だから混乱や渋滞は少ない。
 東京オリンピックは「アジアで初」をうたい文句に、すでに1964年に行われている。改めて2度目を開催する意義は、どこにあるのだろうか?
 「住みよい町」への理念がなく、混乱と渋滞を招きかねない東京オリンピックに反対する。

 

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