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◆ビバ!スポーツ時評

サッカー日誌  2006年8月28日(月)

◆女子サッカーを発展させるために◆
 なでしこオールスターズ
 WEST 2−1 EAST
(8月27日、国立競技場)


★観客の多いのに驚く
 「モックなでしこリーグ・オールスターゲーム」を見に行った。女子サッカーを取材したことがない。どんなものか、一度、見ておこうと思ったからである。
 ちょっと驚いたのは、観客が予想以上に多かったこと。国立競技場のメーンスタンドがほぼ埋まっている。8,027人という発表だった。女子のスポーツで、これほどの人数を集める試合はないのではないか。
 プロ野球のオールスター・ゲームのようにスタープレーヤーの顔見世でお客を集められるわけではない。男子のJリーグのように、レベルの高い個人のテクニックの組み合わせを期待できるわけでもない。それでも、これだけの観客を集めることができたのは、関係者が相当に努力したのだろう。
 取材の記者やカメラマンも、かなりいた。ただし、Jリーグや日本代表の試合で見慣れた顔は少なかった。
 
★選手たちが楽しそう
 東西対抗で、選手はそれぞれ16人。みな楽しそうにプレーしていた。
 ゴール前、約25m、ウエストのフリーキックのとき、一人が蹴るふりをして走りぬけた。次の選手も走り抜けた。3人目、4人目も走り抜けた。スタンドは大笑いである。トリックプレーではなく、コミック・プレーだ。
 最後に蹴った原歩(INAC)が、試合後のインタビューで「何か面白いことをしようと、試合前にロッカールームで相談して決めたんです」と話していた。「お祭りならでは」である。
 ウエストが2対1で勝ち、ウエストの大谷未央(TASAKI)が MVPに選ばれた。前半19分に、前に出ていたゴールキーパーの頭を越してふわりと上げたボールで先制点をあげた。頭脳的でテクニックもある。イーストでは、澤穂希(ベレーザ)が、パスのセンスのよさで際立っていた。

★小、中学生に楽しさを
 女子のオールスターゲームは、1996年以来の復活で10年前の MVPは澤だったそうだ。ベテランになった澤のプレーが、今でも目立つのは、若手が育っていないからではないか。これが女子サッカーの問題点かな、と思った。 ただし、後半13分に一矢を報いたイーストの大野忍(ベレーザ)は22歳の若手である。 正面に割り込んだドリブルと、狙いすましたシュートがよかった。
 若手がまったく育っていないわけではないようだが、高校生年代以下の競技人口の伸びが遅いのではないか、もう少し取材を重ねて調べてみようと思い立った。
 小学生や中学生の女の子たちに、プレーする楽しさを広める方法がないものだろうか。 女子の日本代表チームが勝つサッカーを追い求めるよりも、女の子たちに、楽しくサッカーができる場を提供するほうが、大事なのではないか、と考えた。

 

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