[試合のメモ]
(キリンカップ第2戦、 日本 0ー0 スコットランド)
@W杯代表23人の決定
キリンカップが終わった2日後の5月15日に、ドイツ・ワールドカップへ行く日本代表23人が発表された。ほぼ想定どおりだったが、ストライカーの久保竜彦がはずされて若手の巻誠一郎が入ったのに記者会見場でどよめきが起きた。
しかし、最近のプレーぶりからみれば、久保ははずされて当然である。ゴール前での競り合いに元気がない。足のけがの再発を恐れているのかもしれないが、こういうプレーを続けていて、本番になれば本気でやることは期待できない。
A久保を断念した時期は?
ジーコ監督は、キリンカップの前から「自分のなかでは、23人はほぼ決まっている」と言っていた。だから、久保をはずすことも前から決めていたのだろうと思う。でも、そうであれば、なぜ、このスコットランド戦で久保を先発に使ったのだろうか?
久保と巻に関しては最後まで決めかねていて、スコットランド戦での久保の動きが、あまりにも悪いので最後に決断したのだとみる人もいる。しかし、ジーコ監督の口ぶりからは、そうはとれなかった。ファンやジャーナリズムの間で久保への期待が強いのを知りながら「23人はすでに決めている」といい、そのうえで、はずしたからである。結果としては「この状態では使えませんよ」とファンに納得してもらうためにスコットランド戦で使った形になった。そんなつもりではなかっただろうけれど、ジーコ監督が久保を断念した時期の真相を知りたい。
B日本選手はみなのびのびと
久保以外の日本の選手は、みなのびのびとがんばった。ジーコ監督が「内容は満足できるものだったと思う。全員が走り、全員が作り出した」といったのは、必ずしも弁解ばかりではない。守備ラインは、役割分担がきっちりできて、バランスを崩さなかった。宮本恒靖が相手のハイクロスを、ヘディングでインターセプトしてクリアする場面もあった。
中盤の小野は体調回復が順調なようで、きわだってさえていた。加地亮、福西崇史、遠藤保仁もよく動いた。玉田はシュートはあまりできなかったが、下がってドリブルしチャンスを作ろうとした。
最後に10分ほど出た佐藤寿人もよかった。フランスにいる松井大輔とともに、ドイツへ連れていきたい選手だった。だが23人の枠内で、誰かを外して入れるのは調整が難しいだろう。
Cスコットランドの優勝
スコットランドは、5月11日に神戸で行われた第2戦でブルガリアに5対1で勝っており、この日の引き分けてキリンカップ優勝ということになった。日本は第1戦でブルガリアに1対2で負けているので、この日、スコットランドに3点差をつけて勝たなければ優勝できない立ち場だった。とはいえ、ワールドカップを控えて、この大会の優勝は、ほとんど意識していなかっただろう。スコットランドが守備的になったのも、優勝を狙ったというよりも、2日前に1試合している強行日程がきびしかったからのようだ。
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