[試合のメモ]
(Jリーグ第9節、ジェフ市原千葉 0ー0 ジュビロ磐田)
@上位進出を狙う対決
ジェフもジュビロも、優勝争いの一角を占めることを期待されていたが、シーズンの出足はもたついた。第8節を終わった時点でジェフが8位、ジュビロが9位。双方とも、調子を持ちなおしてきたところで中位同士の対決。勝ったほうが上位進出を狙えるというカードだった。だから、どちらも「勝ち点3」が、ぜひ欲しかった。引き分けはどちらにとっても痛い結果だった。
試合後の記者会見で、オシム監督は「両チームが満足し、両チームが嘆いてもおかしくない試合だった」と話した。満足したのは試合の内容について、嘆いたのは試合の結果についてだろう。
Aジュビロ復調の原因
オシム監督は「ジュビロは調子を上げてきた。これから対戦するチームはたいへんだろう」と相手チームを持ち上げた。調子があがってきたわけは二つある。一つはケガ人が多かったために起用された若手の伸び。とくに、右サイドの太田吉彰は4試合連続で先発に起用され、速いドリブルで活躍している。磐田ユース出身の22歳だ。この日、のびのびとプレーした中盤の菊地直哉とトップ下の成岡翔はともに21歳である。
ジュビロ復調のもう一つの原因は、足首のケガで2試合休んだ福西崇史が前節から復帰したことだ。ボランチとして中盤の守りのリーダーになり、攻撃の起点にもなっている。
B中山、名波の終盤出場
ジュビロの中山雅史が後半24分から、名波浩が後半38分から出場した。前節は最後の10分足らず、2対0の状況での出場で「3点目狙い」という説明だったが、この日は0対0
だから「決勝点狙い」である。中山は出場後すぐシュートを狙い、右へ出てゴール前へいいパスを送るなど積極的にプレーした。38歳だが、まだまだ存在感がある。山本監督は、このこの日の2人の起用については「試合の終わりごろには、相手は(行き詰まりを打開しようと)いろいろなカードを切ってくる。そのときにベテランの力で対応できるようにと考えた」と説明した。でも、中山も名波も攻撃プレーヤーだから、山本監督の説明は、
よくわからなかった。
C巻のファウルは審判の問題?
試合後の監督記者会見で、ジェフのストライカー、巻誠一郎が話題になった。「競り合いのときに、よくファウルをとられるが、どう思うか」という質問が出たのに対し、オシム監督は「それは巻の問題でなく、審判の問題だ」とまずジョーク。「本当は守っている相手のファウルの場合も、攻める側の反則にとられることはある。あれだけ体をはってプレーしている選手は、だれでも、そういう目にあう。巻は戦って競り合うだけでなく、技術的にずいぶん成長した。あとはドリブルだけだが、ドリブルはかなりの程度、生れつきのものだ。それぞれ、いいところを生かしてプレーすればいい」と高く評価した。ワールドカップ代表に選ばれるかどうかボーダーラインとみられているときだけに、巻の急成長は注目の的になっている。
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