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◆フリーキック

【ブラジルサッカー通信<4>】
GKが目立ったクラシコ

<文・写真 手島直幸(ブラジルに出張中)>


◆5月、6月は見逃せない試合が多い
 1月に始まるパウリスタ杯(サンパウロ州選手権)は、5月に決勝である。ホナウドなどの活躍で5月3日にコリンチャンスの優勝で終わった。コッパ・ド・ブラジル(ブラジル杯)は2月中旬に始まり6月末に決勝がある。中南米の強豪が競合するリベルタドーレス杯(南米選手権)も2月に始まり6月に終わる。5月は試合が重なるので有力チームの監督の采配ぶりが見える。
 コリンチャンスはブラジル杯の準決勝まで残っている。パルメイライスはリベルタドーレス杯準々決勝に残っている。始まったばかりのブラジレーロの試合には力を抜いているのではないかという新聞記事を目にした。
 5月10日(日)、ブラジレーロ初戦、コリンチャンス対インテルナシオナルの試合に行った。コリンチャンスはホナウドやアンドレサントスなどはベンチにも入らず2軍であった。 インテルナシオナルに1対0で敗れた。
 3日後、5月6日に行われたブラジル杯準々決勝アトレチコ・パラナエンセ戦では、 レギュラーメンバーで2対0で快勝している。これはTV観戦した。ホナウドは2得点で、翌日の新聞の見出しは「ハリケーン・ホナウド」とあった。 だれにも印象的な活躍であり、セレソン(ブラジル代表)への再召集も期待された。だが、5月21日に監督ドゥンガが発表したリストにはホナウドの名前はなかった。

◆ブラジレーロ2009
 カンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル選手権と訳す)は、ブラジル全土の30チームがホームアンドアウエーで総当りのリーグ戦である。セリエA20チームとセリエB20チームにわかれている。セリエAにはサンパウロのコリンチャンス、サンパウロFC、パルメイラス、サントスなど、リオにあるフラメンゴ、フルミネンセなど、各州の有力チームがいる。
 ブラジレーロ2009は、5月9日から12月6日までの予定である。Jリーグと同様春-秋型にみえるが、ここは南半球なので、秋に始まり春に決勝という秋-春型ということになる。日本ほど季節ははっきりせず、ここは年中温暖だからサッカーには最高の気候である。シーズンオフはいつと訊いて笑われた。いつでもやっているよ、と。

◆パルメイラス本拠地
 5月24日(日)ブラジレーロ2009第3節パルメイラス対サンパウロFCの試合に行った。サンパウロの人気チーム同士の試合をクラシコと呼ぶようだ。
 パルメイラスはイタリア系移民によって創設され、第2次大戦時にチーム名を変えたが、以前のチーム名がスタジアム名「パレストラ・イタリア」に残っている。3年前に買ったイタリアのスポンサー名の入ったパルメイラスのユニフォームを着用した。日本商社のサカキチ3人と連れ立ってスタジアムに向かった。
 インターネットで予約購入したというVISA専用入口で、クレジットカードを差し込むと4人分の座席シートが記された紙が出てきて簡単に入場した。こんな方法もあったのだと感心する。

◆企業スポンサー
 VISAシートは裏正面スタンドの大半を占めている。このチームのスポンサーはイタリアのメーカーから変わって韓国のサムソンである。携帯電話のプロモーションと見られる招待客がたくさんいて、サムソンの名前が強調されたグッズをもらい、配られた金券で飲み食いしている姿に、なにか違和感を覚えた。
 ゴール裏の肩を組んで応援歌を歌い、巨大な応援メッセージを掲げる熱烈ファンと何か違う。好きなものは自分の金で見ろと言われて育ったせいであろうか。サンパウロFCはLGがスポンサーでこれもモルンビースタジアムでは派手にやっている。サントスは 東芝がスポンサーだが、日本企業はあまり目立たない。世界不況の中でも落ち込みの少ないブラジル経済である。ブラジルワールドカップ2014を目指して、 日本商社がスポンサーになるのもいいんじゃないだろうか。

◆ゼロ対ゼロの試合で見所は?
 両チームとも一軍メンバーであった。しかし点が入らない。ファールが多く、双方1名ずつ退場者がでる。シュートが決まらない。かなりイライラする展開だ。国民の数だけ監督がいるといわれるブラジルだから、ホームチームにも声が掛かる。サイドをもっと使えとか、逆サイドに展開しろと叫んでいるのだろうか。
 ゴールキーパーの活躍が目立った。
 サンパウロFCのトップは、浦和レッズにいたワシントンである。後半終了直前ペナルティエリアの中でボールを受け、狙い済まして打ったシュートを、キーパーのマルコスがセーブ。ワシントンは地面を叩いて悔しがる。
 サンパウロのキーパーのデニスはレギュラーが怪我で出番のきた第3キーパーだったが、決定的なシュートを2、3本防いだ。こんなキーパーをJリーグに入れたら、得点が少なくなるかもしれないが、フォワードもレベルアップするだろう。

◆ぶたがマスコット?
 ブラジルのキーパーは精神的に鍛えられている。なぜなら観客は常に声を上げており、その攻撃対象になる時間がキーパーは長いからだ。声を合わせて「ぶーた、ぶーた、なんとかなんとか」と言っているので、訳してもらう。ここには書けない汚い言葉である。これを老若男女がこぞって叫ぶ。訳してもらわない方がよかったかも。
  パルメイラスのマスコットは「Porco」(豚)。日本では豚インフルエンザ対策でマスクする人が多いようだが、ここでマスク姿はない。

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