FIFA
Club World Cup Japan 2006
◆試合内容はすばらしかった!◆
クラブ・ワールドカップ総まとめ(1)
(12月10日〜17日、豊田、東京、横浜)
★真剣勝負だった決勝戦
試合の内容についてだけ言えば、クラブ・ワールドカップ 2006 はすばらしかった。どのチームも力を尽くし、闘志を燃やして争った。クラブの選手権を世界的に争う意義を示した試合ばかりだった。
決勝戦は、スター軍団のバルセロナが力を封じられて、華麗な技術の戦いにはならなかった。これはタイトルをかけた大会の決勝戦では、よくあることである。真剣勝負だからこそ、相手の良さを殺して勝とうとする。
インテルナシオナルが、よい準備をし、グル―プによる守りでロナウジーニョやデコを押さえ込んだ。そういう点で見ごたえのある勝負だった。
バルセロナの華麗な技術は、準決勝では堪能することができた。大会を通して見れば、美しいプレーも、力のこもった勝負も楽しむことができた。
★中進地域からの挑戦
準決勝では、サッカーの中進地域からのチームが先進地域の欧州、南米に挑戦した。
中米のメキシコは、もともとサッカーの盛んな国で、レベルもかなり高いが、同じラテン系の南米に、なかなか追いつけないでいる。しかし、近年、さらにレベルが上がって来ているといわれており、今回のクラブ・アメリカは、ある程度の自信を持って参加したようだ。それが、かえって災いしたのか、バルセロナにまともに挑んで完敗し、3位決定戦でもアフリカ代表のアハリに敗れた。いい経験になっただろう。
アハリは、エジプトで圧倒的な人気を持つチームで、今回の出場権を得たときは、カイロの町はお祭り騒ぎだったという。3位獲得で地元の大衆は、また歓喜したに違いない。
いずれにしても、サッカー中進国の2チームは、それぞれ先進地域のサッカーへの挑戦で、得るところが大きかったはずである。
★アジアとオセアニアの課題
アジア代表の全北現代が5位、オセアニア代表のオークランド・シティが6位。実力どおりの順位だった。
サッカー開発途上のニュージーランドにとっては、オークランドが参加できたことだけで大きな意義があった。サッカーの母国、英国からの移民が主力の国だから、国際交流の経験が増えれば、国内での普及も進むし、レベルも急上昇する望みがある。
韓国の全北現代は、試合ぶりは悪くはなかったのだが、他の地域のチームに比べると、この大会での経験を土台に将来、伸びていきそうな要素は少なかった。外人選手を生かしてはいたが、東アジアのサッカーのスタイルを変えられるようには見えなかった。つまり、ボールテクニックとパスの精度が劣るのを労働量によって補おうとするスタイルのままである。これは今回の出場権を得られなかった日本についても言えることだろう。
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